2013年04月27日

不思議な回り寿司

さて、時間があるうちに4月分の更新(というのも何だが)を。

すっかり下がったままのマジック熱。それでも小ネタを買ってみたり、それなりのネタ物を買ってみたりと、一応、それなりにやってはいる感じ。でもDVDはまず買わない。見る気にならないと思うから。本なら空いた時間にパラパラと見る気になるけど、DVDはちょっと面倒な感じがして手が出ない。
という感じで、ネタ物が増えている感じ。この辺りは揺り返しというか、レクチャー物ばかり買って、ネタ物をほぼ買わない時期もあったし、そういうもんだと思っている。

で、今日は小ネタというか、カジュアルに演じられるマジックとして「不思議な回り寿司」をレビューというか紹介というか。
これは毎年恒例のテンヨーのプラスワンキャンペーンのマジックで、今年(2013年)は「不思議な回り寿司」。正直、年によって当たりハズレはあると思っているが、道具立てが面白く、カジュアルに演じるのぴったり。私のマジック用上着(一応そういうのがあるんですよ)のポケットには「さっかく定規」「ゴーストパズル」「マジカルバーガー」とこの「不思議な回り寿司」が入っている(会社用の上着のポケットに入っていた時期もあったり)。
どれも道具としてのバランスがいいと思っている。「マジックやります」という状況で、つかみに軽く見せるのにぴったり。いきなりカードで度肝を抜くという見せ方もありだと思うし、そういうのもやるけど、それは状況次第だと思っていて、こういうマジックの方が相応わしい場はあると思っている。
そして、ほぼ、道具に仕掛けがないというも使い勝手がいいところ。トラブルになりにくいし、観客のコントロールに気をつかわなくていい。これは結構重要なポイントだと思っていて、初見の人がどういうリアクション取るかはわからないので、この手のマジックを見せて様子を見ることができる。それを見て次のネタ、あるいは次の機会に見せるネタを選ぶことができる。
さらに言えば(まだあるのか)、ほぼセルフワーキングなところもいい。演出に集中できるし、テンポの調整も自由度が高いので、繰り返しになるが、観客の反応も探りやすい。

というわけで非常に重宝しているネタである。
で、ようやく本題。今回の「不思議な回り寿司」も道具には仕掛けがない。演じやすくするために工夫があるが、それは仕掛けと呼べる程のものではない。手順もセルフワーキング。したがって、マジックは原理自体で成り立っていると言っていい。そうした原理(というかハンドリングというか)を寿司という道具立てを利用した演出でより自然に見せてカバーしているという印象。
解説されている手順は3つ。実のところ、どれも私は知っていた原理だが、ハンドリングは工夫されていて興味深い。特に2つ目の手順「どちらがお好き?」はテンヨーの鈴木氏考案の「(3+3)枚カードの原理」と記載があるが、本に収録されている手順(一応伏せます)を簡略化した手順になっている。簡略化されているが、その分演じるのが楽で、私はこちらの手順の方がやりやすいと思う。演出としては読心術で私好みでもあるし。実際に演じて見たがいい感じだった。
手順1「寿司メンタリズム」は正直、演じる気にならない。原理的に面白いものではないのと、あまり不思議ではない気がしてしまうので(「どちらがお好き?」には遠く及ばない気がする)。手順3「回り寿司の大予言」は「回り寿司」という演出がぴったりで、原理としても面白くいい手順だと思う。ただ、「どちらがお好き?」の方が好みだし、より不思議だと思うので、ついついこちらを演じてしまう。あと、「回り寿司の大予言」はちょっと手順が長いというのも気になるところではある。リズミカルにやっていけば、さほど時間がかかるものではないし、その長さが不思議さを強調している気がするので、それが悪いという気はないが、「最初に見せるマジック」として考えるとちょっと辛いかなあという気がする。まあ、「どちらがお好き?」の後に続けて見せるというのもあるとは思うけど。

ということで、大変気に入っており、レパートリー入り確定である。来年のマジックが楽しみである。

posted by shadow at 15:34 | Comment(4) | TrackBack(0) | レビュー(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月31日

学習塾でのマジックショー

おぉ、しまった。3月の更新が0になるところだった。電王戦とか見てると週末の時間が本気で無くなる。今日だって12時間生放送だったわけで。さすがにずっと張り付いて見ていたわけじゃないけど、見始めると止まらない感じはあって、あっという間に時間過ぎてる。

というわけで(なにが?)、軽く文字通りの備忘録書いておく。毎年恒例の学習塾でのマジックショーについて。これは本当に備忘録になっていて、毎年、「今まで何やったっけ?」と確認してからその年の演目を考えている。
今年は以下。

(1)フリーダイヤル
(2)クロノログ
(3)アルトロメンタル
(4)テクニカラー・プリディクション
(5)フォーシングパッド

20分くらいだったかな。まあ、そんなもんでしょう。ネタとしてはもっと準備していたが、思っていたよりも時間かかった。説明に手間取ったのと、そもそも手続きというか現象そのものが長いというか、そういうのが多いからまあ、こんな感じかなと。
いつもながら、ここではメンタルマジック全開。「気持ち悪い」と言われることを目指して(いいのか?)、遠慮なくやっている。とは言え、わかりにくい現象になっては意味がないので、その辺りのバランスが難しい。わかりやすい現象だとメンタルマジックって実のところ現象そのものが限られてくるというところはあって…

しかし、どうしても予言にレパートリーが偏る。(5)はちょっと特殊なのでおいておくと、(2)〜(4)は現象としては予言。実はブックテストも用意していたが、やっぱりやり慣れていないのはネックで「時間が余りそうなら」という程度の準備で、結局やらなかった。「せっかく買ったんだからやらないとね」と(3)を入れてみたが、ブックテストの方がよかったかもしれない。
というのは、「観客の受け」という点では予言より読心術系の方が受けるというか、気味悪がられるという感触があるから。(1)が典型的で、私はこれを逆、つまり、「マジシャンがセットした番号を観客が読み取る」という現象にして演じているが、これがとっても受けるというか、驚かれるというか、気持ち悪がられる。手順としては鍵の仕組みを理解してもらった後(番号を自由に設定できて、その番号でしか開かないという当たり前のことなのだが。こういうのに時間がかかるのがネックではある)、マジシャン(私)が番号をセットして、観客に渡して「私が指を鳴らすと、あなたの頭の中に4桁の数字が浮かびます」と言って、指を鳴らして4桁の数字を言わせて、鍵を開けさせるという演出。上記のセリフを言った時点で、観客からは「え〜っ!」と反応あった。鍵が開いたときにはいい反応もらえた。「これはマジック、超能力?」という反応もあったくらい。こういうネタをレパートリーとして増やしていきたいと思うのだが、いいのがない。

演技全般としては(4)は実は失敗した。もう、単純なミス。原理に関わるのであまり書けないが、単純に間違えた。しかし、それが逆にいい感じに(5)の伏線になって、全体で見れば結果オーライという気がする。この辺りがメンタルマジックらしいというか、利点という気がする。ちょっと失敗するくらいの方が逆にリアリティがあるって奴。

大きく反省点はないと思っているが、やっぱり予言にレパートリーが偏っている現状はどうにかしたいねえ。売りネタ中心だとどうしてもそうなってしまうんだよねえ。

posted by shadow at 00:14 | Comment(2) | TrackBack(0) | マジック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月24日

The Undercover Wallet

さあ、久しぶりにレビューだ!とは言え、分量が少なくて済みそうなのを。長らく品切れ状態だったあるマジックが再入荷したので、そのついでにいくつか買った。これはそのうちの1つ。久しぶりに買ったなあ。「ネタ」というより道具が中心だけど。「ついでの方がはるかに高い」とかいう話は横に置く。他に買ったものも気に入っているので、ようやくネタができたので順次レビューしていきたい。気長にお待ち下さい。

というわけで、まずはThe Undercover Wallet。本当になぜ、こうついつい財布は買ってしまうのかねえ。使ったことないのに。「限定」というのにも弱いなあ。
でも、とりあえず気に入ったというか、少なくとも手元にある他の財布にはない機構なので、これはこれで使い道がそれなりにありそうだ(だったら、他の財布も使えよという話なんだけど)。

経験的に入って、多機能な奴は単機能というかそれ専用の財布に比べて使いにくいケースが多い。だから、これもかなり悩んだんだけど、二つ折りの財布はあまりないので、「えいっ!」と買ってみた。基本的には満足している。材質や見た目は文句ない。標準的な二つ折りの財布よりは一回り大きいけど、まあ、しょうがないし、妥協できる範囲かな。
説明文の通りで、乱暴に言えば、二つ折りでカップスワレットとマリカワレットの機構を備えているということになる。二つ折りのカップスワレットは持っているし、ヒップポケットマリカも持っているんだけど、思うところがあって買ってみた。

まずマリカワレットとしてということからいくと、これはヒップポケットマリカの方が圧倒的に使い勝手がいい。しかし、これはアンフェアな比較で、サイズが異なる。ヒップポケットマリカは二つ折りじゃなくて大きいので、ハンドリングが楽というそういうことに過ぎない(とは言え、「ハンドリングが楽」というのは大きいのだが)。ちょっと、コツやハンドリングの工夫、慣れが必要だけど、The Undercover Walletも十分実用の範囲だと思う。マリカワレットに関しては特に特別な機構というわけではないと思う。二つ折りの財布の横から(という表現が適切かは不安だが詳しくは動画見て下さい)出すので、通常のマリカワレットとはちょっとハンドリングが異なるが、機構という意味では同じと言っていいだろう。まあ、二つ折りでポーカサイズのカードを扱うのだから、それなりに大変なのはしょうがない。

カップスワレット(と言っていいのかどうか)の部分については、今まで見たことない機構。特殊とまでは言わないが、「ロード」の機構というか考え方そのものが異なる。で、逆に説明書に詳しく書いてないんだけど、通常のパームして行う方法がよくわからない。どうやってポケットから出してくるのか。試行錯誤(というほどでもないが)の末、どうにか「こうすれば大丈夫か?」という感じにはなったのでよしとする。これに慣れると普通のカップスワレットよりもロードが楽でいいかもしれない。
パームしない方法の方がこの財布の機構からすれば本命な気がする。個人的にはこちらの方が楽でフェアに見えると思う。かなり楽にロードできる。

ただ、ここらで整理しておきたいのだが、パームしないなら、マリカワレットの機構の方を使ってもいいわけだ。ハンドリングの観点からも大差ない。私はこれは好みの問題であると思う。マリカワレットの二重の財布から出すか、ジッパーから出すかという話(マリカワレットの機構の方にジッパーはない)。と考えると「どちらか1つの機構だけで良いんじゃないの?」という話にもなりかねないのだが、一応、パームして行うこともできるわけで、手順上の制約とかやってみたい演出とかある場合を考えると、2つあって悪いことはないと思う。2つあることで他方に影響があるような機構にはなっていないので。だから「二つ折りのこの手の財布」としてはよくできていると思う。

「ピーク」と「予言」は「そういう使い方もある」程度かなあ。ピークや正直やる気にならないけど、予言の方はこの財布の機構の特徴を使っていて簡単にできるので、何かの手順で使えるかもしれない。

というわけで、またついつい買ってしまったのだが、さすがにいい加減、財布を使ったマジックをレパートリーにしたいなあと思う次第。普通に「Card to Wallet」でいいんだから。

posted by shadow at 13:48 | Comment(2) | TrackBack(0) | レビュー(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月11日

マジック熱が下がっている理由は?

ご覧の通り、すっかりマジック熱が下がっていて、ブログの更新もままならないので、開き直って、表題の通り、なぜマジック熱が下がっているのかをつらつらと書いてみる。
書き始めた現時点で考えは整理してないので書きながら整理していく。

まあ、一番の理由は「忙しい」であって、その忙しい中「空き時間はほぼ将棋に当てている」のがマジック熱が下がっている理由であろう。ここで話終わっていいレベルなのだが、この先も考えてみる。「なぜマジックより将棋を優先しているのか?」

たいていの趣味がそうだと思うのだが、始めたばかりの頃は夢中になりやすい。マジックも始めたばかりの頃は睡眠時間を削って本を読み練習したものである(将棋はそこまでやってない。現状でそれやると本気でやばいから)。将棋は本格的に始めて半年ちょっというところだが、まだ入口からちょっと入った程度というのは実感としてあって、「あれもこれも」と手を出したいところが見えている範囲でも山積みになっている。本も明らかに買い過ぎで、「良書しか買ってないはず。まずは目の前の本をしっかり読め!」と自重するようにしている。

また、将棋はソフトが十分強く、PCやiPad等でいつでも対戦ができる。「気軽に」と書こうと思ったが、そう気軽に対戦をやっているわけではなく、一局指すとそれなり疲れるレベルで指しているのでやめた(持ち時間がしっかり管理されている状況で一局指すと本当に疲れる)。私はほぼやっていないが、ネット対戦の環境もかなり整っており、「対戦相手がいない」という状況はほぼ発生しないのも大きい。
これはマジックで言えば「見せる相手がいない」と同じだと思う。で、実際、「見せる相手」を探すのはマジックの場合、結構難しい。私には水戸マジッククラブという場があるが、非マジシャンに見せる環境というと限られており(水戸マジッククラブで毎月やってはいるが、「何でもできる」という環境ではない)、覚えたことをすぐに実践できるという意味においては将棋に軍配が上がる(まあ、これは趣味をどう考え、何を目標とするかという問題でもあるのだが)。厳密に言えば、将棋も相手がある話なので、例えば覚えた定跡をすぐに確実に試せるかというとそう単純な話ではないのだが、機会があるというだけで大きい。

また、将棋は「勝負」であり、段級位もあり、成果が定量的に見えるというのも大きい。マジックではコンテストで入賞するとかでもしないと、成果というか評価を得るのは難しい。もちろん上達を実感できるときはあるが、将棋ほど明確ではない。

というのが、マジックと将棋の相対的な私の中での評価かな。
次に将棋はちょっとおいておいて、マジック熱が下がっている理由そのものを考えてみる。

新製品とかは毎日チェックしている(漏らさずとは言わないが)。だから興味を失っているわけではない。思うに「レパートリーに困っていない(レパートリーを増やす必要がない)」と思っているのがあるのではないかと。これも趣味をどう考えるかという問題になるのだが、少なくとも現状で、滅多にないがクロースアップマジックのショーを30分と言われてもたぶん困らない(ショーとしての完成度は別の話として)。テーブルホッピングもまったく困らない。1時間、すべてのテーブルで違うネタをすることだって可能だろう。サロンは、まあ、まだ検討の余地があるので、サロンの新製品はそれなりの感度を持って見ているが、現状でも30分くらいなら「できる」(「できる」の意味するところはおいておいて)。

次に、新製品を見る目について。厳しくなったというか、新しい原理というものがそうある世界ではないので、新製品を見ても「それ原案の方がいいんじゃない?」と思ってしまうともう買う気にならない。微妙な差でも演じるとなると大きな差となることは知っているつもり。でも、類似のマジックを既に持っている(知っている)という状態でわざわざ買う程の新商品はあまり見ない。
また、「ギミックデック」はほぼ買う気にならない。手元にあるギミックデックの山を見てうんざりしているから。そのうんざり感を越えてくれるギミックなら考えるが、どうもそこまでの魅力を感じない。実際、気の迷いで買っても使ってない。パケットも同じような感じ。

私がスライハンドにあまり興味がないというもあると思う。カードの基本技法は一応できるし、コインも簡単なところはできると思う(見せるレベルな気はしないが)。それで、現状に満足しているところはあって、「練習してみよう!」と思う技法、マジックがない。これは興味がいつの間にかメンタルマジックの方に移っていったこととも関連していると思う。
スライハンドを必要とするメンタルマジックもあるが、私が興味を持つ範囲では、今の私の力量でたいてい何とかなる。メンタルマジックの原理もやはりそうそう新しい原理は出るはずもなく、既存の原理の焼き直しや組合せで成り立つ新しいマジックというのが大半という印象を持ってしまっている。そこに新しいアイデアがあり、新しい魅力や従来あった問題点をうまく解決している作品もあって、そういうのは評価しているつもりであるが、やはり最近、そういう魅力ある作品をメンタルマジックでは見かけない。
新しいマジックばかり追わずに古典をしっかり追ってみればとも思うが、メンタルマジックに限ればこれはこれで大変で、洋書に手を出す必要が出てくる。そこまでの情熱は正直、今はない。

うーん、こんなところかな?楽しい話ではないが、現状の分析ということで、文章にすると考えがまとまるかなと思って書いてみた。「他力本願過ぎる」という気は自分でもするが、たぶん、根本的には「現状に不満がない」というがある気がする。趣味なんだから、好きに楽しめばいいというのもあって、「またそのうちマジック熱が上がってくるだろう」くらいに今は思っている。

posted by shadow at 17:48 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月01日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
ますます更新頻度が下がることは確実ですが、何とか継続していきたいと思っていますので、気楽にお待ち頂ければと思います。

posted by shadow at 02:02 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月18日

テンヨー新製品2点

うーん、マジック関係は本当にネタがない。だから無理に書くこともないのだが、何も書かないのも寂しい話なので無理に書く。
ネタは買わない、本は評判の良い本は一応買うが読まない。うん、我ながら完全にマジック熱下がっている。

でも、表題のテンヨーの新製品を2つ買ったのでそれについて軽く書いてみる。
買ったのは「ミラクルスルーコイン」と「ゴッドハンド」。どちらもネット上での評判も悪くなく、無難な選択だと思う。一応、ディーラーさんのいるところで一通り実演してもらった上で、この2つを選んだ。

「ミラクルスルーコイン」は出来がいい。いい意味での「テンヨークオリティ」。売り場でも道具触らせてもらったんだけど、その場でちょっと触った程度では仕掛けはわからなかった。原理は既存だし、あるべき仕掛けがそこにあるはずなのに、そう思って見てもわからないというのはさすがと言えよう。
これ用のグラスということで近所のダイソーに行ったところ、測ったようにぴったりのグラスが見つかった。規格サイズなのだろうか。マジシャンにも見せてみたが、やはりすぐには仕掛けがわからないようで、やり過ぎなければ軽く手渡しして改めてもらうのもありな気がする。

「ゴッドハンド」は動画が公開されたときからかなり話題になっていたが、実演で見ても不思議というか気持ち悪いというか、非常によく出来たマジックだと思う。現象から逆算すれば、「原理的にはこうなんだろうな」と思うところはあるけど、それをどう実現しているのか、動画を見ても、実演見ても手掛りはつかめなかった。マジックが錯覚を利用しているのはいつものことであるが、タネを知ると、「なぜ、それに気がつかない」と思うような内容で、さすがルーバー・フィドラーである。非常に氏らしいマジックだと思う。購入時にディーラーさんにちょっとした工夫を教えてもらい非常に満足。確かに説明書通りのやり方では後の処理と前の準備がちょっとやりにくい。「前の準備」に関しては、原理的に準備が必要なマジックであるので、「何言ってるの?」という人もいるかもしれないけど、ここで言いたいのは目につかない方の準備。説明書通りのやり方しか知らなかったら私はこのマジックはあまり評価していないと思う。後の処理の問題も含めて。そういう意味において教えてもらったことの価値が高いと思うし、このマジックの私の中での評価を大きく変えている。
マイナス要因は既にネット上で散々言われていることだが、「カードがバラバラの状態で出してこないといけない」という点。つまり「目の前でカードを切ってそれをつなげる」という通常の「トーン&レストア」の手順にすることはできない。まあ、このマイナス要因を補って余りあるほどの効果があるマジックだとは思うが、それなりに演出いれないと唐突な雰囲気は否めない気がする(通常のトーン&レストアとか、そもそもマジックそのものが唐突という話はあるが、程度の問題で…)。

実のところ、この2つは大変気に入ってはいるが、どういう場面で使うかは想定できていない。どちらも事前に準備が必要で、リセットもこっそりやる必要がある。「ミラクルスルーコイン」の方はすぐにリセットできるが、こっそりやるのはテーブルホッピングでは難しいと思うので、やっぱり想定できない。最近、テーブルホッピング以外でクロースアップやる機会ないし(そもそもテーブルホッピングをやる機会も最近はほぼないけど)。
でもいいネタには違いないと思うので、何かのときに出番はあるだろうと思ってはいる。

posted by shadow at 19:56 | Comment(4) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月07日

Card Fictions

さて、提灯レビューでも書くか。というのはもちろん冗談で普通にレビュー。久しぶりにちゃんと全部読んだマジックの本なので。

Card Fictionsの日本語訳。私は原著の存在すら知らなかったのだが、方々の評判を聞いて興味を持って購入。スラスラと最後まで読めた。最後までしっかり読んだマジックの本は本当に久しぶり。いつも通り思うがままに書いてみる。

一番印象に残ったのはトリックの解説ではなく、その間にある2つのコラム"Method and Style and The Perfoming Mode"と"Inducing Challenges"である。前者は「オフビート」というキーワードで語られる話に近いと思ったが、微妙に違うというか、よりdeceptiveな話だと思った。後者は「観客のコントロール」と通じる話であると思ったが、マジックの演出として、非常に巧妙な仕掛けというか考え方だと思った。特に後者は目から鱗という気がした。どちらも非常に興味深い内容でルーティンの構成、演出を考える上で非常に参考になる考え方だった。

トリックについては、「結構難しいな」というのが正直な印象。どれもよくできていて、現象としてはどれも魅力的。しかし、私から見て「読んですぐできる」レベルのマジックは無かった。とは言え、「絶望的な難易度」というわけでもなく、現象を考えれば、その難易度はバランスがとれているというか、「練習してできるようになりたい」と思わせるトリックだと思った。

一番気に入ったのは"Cincinnati Pit"。いわゆるポーカーデモストレーションである。現象が意表をついていてきれいで面白い。問題はシャッフルが簡単でないこと、ポーカーデモストレーションではよく使われる結構難易度の高い技法が必要なこと。後者の技法については、ミスディレクションというか手順の妙で負担は下がっていると言えるが、難しい技法であることに変わりはない。シャッフルは別法と2つやり方が解説されているが、私は別法の方が好み(というか、こちらの方が、たぶん、私には楽)。とは言え、別法のシャッフルでもやってみたら最初はうまくできなかったので、要練習という感じ。少し練習したらできるようになってきたので。まだ安定感ないけど。ポーカーデモストレーションは「いい手順ないかなあ」と思いつつ、レパートリーとして取り入れている手順はまだない状態だし。

次は"Colour Sense"。メンタルマジック好きな私の好みに合うし、難易度もまあ、そこそこだと思ったから。慣れというか練習が必要だけど、これはできそうな気がする。まだ、まったく練習してないから想像だけど。演出も面白くやサトルティも効いていて面白い。

"Triple Countdown"も私好みのマジックだと思った。しかし、どういう状況でこのマジックを演じるのか想像がつかなかった。大変、面白いマジックなのだが、場を選ぶ気がする。

"Master of the Mess"は現象を読んだときにはワクワクして解説を読んだのであるが、その巧妙さに感心しつつ、一方で絶望した。今の私には絶対無理。このマジックを安定して演じる技量は私にはない。大変に魅力的な現象で、手順も巧妙で本当に面白いマジックなので、できるようになりたいが、それはかなり先な気が正直している。

"Unforgettable"の感想も"Master of the Mess"とほぼ同じかな。好みの現象であるが難しい。

"Finger Flicker"はほぼ既存の内容でクレジットでもそう書かれているので省略。

"High Noon"は唯一、私の好みにあまり合わないマジックだったので省略。この手のマジックは苦手(というかやる気にならない)という本音もあり。

と書いていて、「あれ、このままでは、そもそも現象わからないじゃん」ということに気がついたので(上のリンク先に現象説明なし)、いつもながらの他力本願で現象も含めて色々書いてる訳者さんのページにリンクはっておきます。

「Card FictionsのおまけTips」も参考になった。全体として非常に読みやすい本で(原著からそうなのか、訳者の努力なのかは私にはわからないが)、本当に最後までスラスラ読めた。面白いマジックばかりで、分量もほどほどだったからかな。とりあえず、上記の通り、いくつかは練習してレパートリーにしたなと思った。

posted by shadow at 08:02 | Comment(6) | TrackBack(0) | レビュー(本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月02日

ノストラダムスの箱

ネット上の知人のマジックの訳本が手元に届く。久しぶりにマジックの本をちゃんと読む。まだ、半分しか読めていないがかなり興味深い。まあ、パーフェクト・ファローを数回とかはちょっと無理だけど(でも、このマジックはサトルティが効いていて興味深い手順なんだけどなあ。意外性とインパクトも十分あるし)。まあ、全部読んで理解したら、ここに提灯記事でも書こうかなと(笑)。

このブログ、もっとサクサクと更新したいんだけど、書き始めると長文になってしまう自分の悪癖が問題で、書くのに時間と労力がかかってしまうのでなかなか手がつかないという自己矛盾状態。簡潔に書く能力が欲しい。

さて、今回は前にも書いた「使えない安いマジックより高くても使えるマジックを」のコンセプト(?)のもとに購入したノストラダムスの箱を紹介してみる。
その前に誤解がないように言っておきたいが、「高いマジックは使える」ということを言いたいわけではない。高い理由が問題で、「高い上に使えない」というひどいマジックもある。「あんたが使いこなせないだけ」という批判は甘んじで受けるが、少なくとも「高いマジックの方が使いやすくていいマジック」ということはない。「(個人的印象として)確率的に高いマジックの方が使えるものが多い」というだけのことである。安くて名作もあるしねえ。

前置きはさておき、まだマジシャンにしか見せてないが、非常に好評だったマジックである。「あの箱のマジック」と呼ばれかなり強い印象を残したようである。現象はリンク先に動画もあるので見て頂いて、まあ、the card at any numberというところか。。
この手のマジックはよくあるマジックで、原理も出尽した感があって、たいていは既存の原理そのままか組合せによって実現されている。このマジックも例外ではない。しかし、機構というか何というか、非常によく出来ている。
デック、箱は完全改め可能というか仕掛けがない。この安心感は非常にポイント高い。デックは完全にレギュラーで好きなデックを使える。ちょっと慣れというか、言われた枚数によって考える必要があるが(この手のマジックではある意味しょうがない)、「何かした」感がまるで感じられない自然さがあってマジシャンでも追いにくいマジックと言えよう。
正直なところ、買う前に「原理はたぶんこうだろう。でも、機構は想像つかない」と思っていた。で、買ってみて、原理は予想通りで、機構が想像していたよりも遥かにシンプルで驚いた。この手のギミックはシンプルであればあるほど良いと思う。トラブルになりにくいし、セットアップも楽。この点でもポイント高い。

欠点をあげるなら、まあ、欠点と言うには何だけど、当然セットアップは必要。簡単だけど、こっそりとセットアップする必要がある。あとは上記のようにちょっと考える必要がある。これは慣れればどうということはないと思うけど。
つまり、演技上、目立った欠点は無いと言える、よく出来たマジックだと思う。値段は単純にほぼ箱代じゃないかねえ。もちろんアイデア料もあるだろうけど、見た目にきれいでしっかりした箱で、持ち運び用に袋がついているのも地味に便利。チェーンを入れる内袋付きで使い勝手がよい。

この現象を起こしつつ「箱に仕掛けがない」というのはマニア殺しではないかと思う。マニア以外にも十分受ける現象だし。もちろん、何の仕掛けもなく、この現象は起こせないので、仕掛けはあるのだが、繰り返すが箱は完全改め可能。巧妙でシンプルはこの仕掛けには感心するばかりである。

いい値段するので、この値段をどう考えるかは人それぞれだとは思うが、私は十分値段分の価値があると思うし、上記の通り、大変満足している。

posted by shadow at 18:42 | Comment(10) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月28日

Miller Miracle Wallets

東京で高校のときのクラスメイトに会った(一部違うクラスの人もいたがそんなのは細かいこと)。卒業以来会ってなくて、懐かしいというか、何というか、うまい言葉がない。とりあえず、みんな「仲間」なんだなということは思った。何人かはFacebookでつながっていたんだけど、私の鬱なつぶやきを本気で心配してくれていて、申し訳ないやら、ありがたいやら。でも、まあ、やっぱり嬉しいかな。しかし、関西の高校なのに、東京でそれなりの人数が揃うのはすごいなあと思った。で、みんな関西弁使いまくりで(日常ではほぼ使ってないのに)、ある意味で違和感あるが、ある意味では違和感がない。本当に楽しい時間を過ごした。

さて、マジック熱がガチで下がりっぱなしで、将棋に割く時間増えている。「いい刺激があれば、またマジック熱も再燃するだろう」と言いたいところだが、その刺激をうけるであろう、数々の本が平積みになっていうという現状。いかんともしがたい。まあ、将棋熱が一段落したら戻ってくるんじゃないのということで。とは言え、それなりに新作は購入していたりするんだけどね。

で、今回は新作ではなく紹介忘れというか、結構前に買ったんだけど、珍しく愛用しているWalletなのに紹介していなかったMiller Miracle Walletsを取り上げてみる。「珍しく」と言うのはWalletは色々な機構なものをなぜかついつい買ってしまうのだが、なぜかほとんど使っていない。どれも出来のよい物なのだが、気がつくと使ってない。もったいない限りである。しかし、なぜかWalletには強く引かれるものがありついつい買ってしまう。

今まで色々な道具(ギミック)買ってきたけど、「使えない安いマジックより高くても使えるマジックを」と思う今日この頃。Miller Miracle Walletsもそんな一つ。まあ、何ができるかと言うとリンク先の通りで、タネに触れるから、あまり書けないけど、メンタルマジックには便利なWalletである。「画期的なギミック」とかそういうわけではなく、機構としては既存のものでも似たようなものはあるし、結局のところ「出来が良い」というのがポイントではないかと思う。
値段分の価値があるかと言うと、まあ、ここは人によって評価が分かれるところかな。私は十分値段分の価値があると思う。これを使うことによって、今までちょっと苦労していた部分が非常に楽になっているし、これが活用できる手順はいくつかあってそういう意味でも使い勝手がよい。かなり多用しているけど、不自然がられたこともなく、非常に便利。先日もこれが活用できるマジックを購入したし。

リンク先を見て、何が出来るWalletか分かった上で、使える手順がある人にはお勧めできる道具である。とは言え、安い物ではないので、無条件でお勧めとは言わないが。

posted by shadow at 17:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月09日

Horwitz Wallet

最近、ただでさえあまりない空き時間を将棋に費やしてしまっていて、マジックの優先度が下がり中。最近、いい本がかなりいい頻度で出ているようだが、手が出ない。未読の本が山積みという現状もあるが、どうにも盛り上がらないというか何というか。
新商品とかはマメにチェックしているが、どうにも食指が動かない。面白いメンタルマジック発売されないかなあ。ネタ物でもレクチャー物でもいいから(他力本願)。どうもマジックに対する刺激が足りないとしか言いようがない。情熱のある人は、ここでオリジナルマジック考えたりするんだろうけどねえ。私はそこまでは…

そんな中、久しぶりに買い物したのでご紹介。Horwitz Walletである。いやー、マジック用の財布いくつ持っているのかと思うのだが、なぜかついつい買ってしまう。ほとんど使ってないのにねえ。何となく好きなんだどうね。もちろん、それぞれに特徴はあるのだが、使いこなせないうちに次のを買ってしまう。まあ、私のレパートリーにそもそも、定番の「Card to Wallet」がないから使うはずはないのであるが、ついついと。メンタルマジック用のもあって、それはたまに使うけど、たまにだねえ。システムデックが必要だし。

で、そんなに持っているのについついフラフラと新製品でもないのに買ってしまったのはリンク先の現象が魅力的に見えたから。あと、「観客に手渡し可能」というのは捨て難いメリットかなと思い。手頃な大きさなのもいい。普段からポケットに入れて持ち歩いてもかさばらないのは使い勝手がいい。
現象はリンク先の通りなんだけど、「他に必要な道具」がある手順がいくつかあって残念。まあ、現象を考えれば「そりゃそうか」という感じではあるのだが。

ギミックの機構としてはHorwitz Add-a-Number Padとほぼ同じ(これも持っていたはずなのだが、震災以降行方不明…)。メモになっているか、カードや封筒を入れられる構造になっていうかの差でしかない。だから、ちょっと不自然だけど、Horwitz Walletにメモ用紙を入れれば、Horwitz Add-a-Number Padと同じ現象ができる。

「観客に手渡しできる」と言っても調べさせられるわけではない。ここら辺はマジシャンの演じ方はマジシャンと観客の関係にもよるところではあるが、たいていの場合は問題ないと思う。「下手にいじって壊したら大変」と思われる程度のガードはかかっているし、手順として、まあ、観客が調べる間がないくらいにさっと自然に回収できるので。

説明書にある手順で面倒な準備をせずにできるのは「Card to Wallet」ぐらいかなあ。基本現象ではある。パームとか不要で、簡単にできる。その分、手順というか構成を考える必要はあるが。
個人的にはリンク先に説明のある現象の中では「催眠術的ピックポケット(スリ取り)」をやりたかったなあ。でも、これは他に必要な道具があって、かなり厳しい。真面目にメンタルマジックっぽくやっても面白いし、ちょっとコメディタッチでやっても面白いし。ちょっと残念。まあ、「観客に渡すことができるCard to Wallet」ということだけでも満足なので、「失敗した」とは思ってないが。リセットも不要なので、テーブルホッピングでも使いやすそうだし。

使ってない財布が山積みの状態であるが、この財布くらいは有効活用したいものである。

posted by shadow at 09:24 | Comment(2) | TrackBack(0) | レビュー(カード) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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