2015年02月11日

Lynx Wallet

マジック熱は下がりっぱなし。やっぱり、水戸マジッククラブの例会を休止したのは大きいよね。マジック人に見せなくなったもんなあ。それでも、久しぶりにマジック購入したので軽くレビュー。

Lynx Walletである。現象はリンク先の動画参照。リンク先にも書いてある通り、BANG ONと同じ現象で、それと比べてどうなのかというのが気になるところである。BANG ONは発売当初はそれほど気にならず、後になって欲しくなって、オークションでどうにか手に入れたという経緯もあり、とりあえず、入手困難になる前に買っておこうということで購入した。

結論から言えば気に入っている。気になる点がないわけではないが、BANG ONよりは私はこちらの方が使いやすいと思う。このマジックの制約はほぼリンク先の動画の通りと言える気がする。よい点を上げると、
(1)財布は最初から出しておける。
(2)動画にある通り、あの程度なら中を改めることができる。
(3)封筒に仕掛けがないので手渡し可能(渡す意味はないと思うけど)
特に(1)と(2)は大きいよね。負担が少ないし、かなりクリーンに見える。

気になる点をあげると、
(a)少し財布が大きい気がする。
(b)封筒からカード出すときにちょっと手間取ることがある。
(c)慣れないと封筒を出すのに手間取る。
こんなところか。まあ、ギミックの性質上しょうがないところではあるのだが。(a)は気にしてもしょうがないと思う。(b)はそこに仕掛けとか何かあるわけじゃないのだが、引っ掛かる感じで、すっと出せないときがある。これもギミックの性質上しょうがないところではあるのだが、もたつく感じがちょっと演技をスムーズにしていない感じで気になる。(c)はこのギミックの根幹の部分なので、「慣れろ」としか言いようがないが、慣れないとやっぱりもたつく。もたつきたくないところなので、練習して慣れておかないと。

単発で演じても十分インパクトあると思うし、応用編として、ACAAN的な見せ方も紹介されていて面白そうだと思った。いつ人に見せる機会があるのかさっぱりわからないが、使い勝手がよさそうなマジックだと思っている。

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2014年02月23日

グレゴリオ

久しぶりの更新!正直ネタ切れ。「面白そうだから買ってみよう」と思うネタが最近なくて。メンタルマジックに凝っているせいか、新製品見ても「あぁ、こんな感じのネタだよね」と思うことが多く、新鮮に感じないし、あまり魅力を感じないことが多くて。

そんな中、お気に入りというわけでは残念ながらないが、「結構実用的でいいんじゃない」と思ったので、グレゴリオを簡単にレビューしてみる。
この現象については前にもまとめてレビューしたことがあるので、興味があればそちらも見てみて下さい。

結論から言えば、私の感想は「実用的だとは思うけど、私はクロノログの方が好き」である。まあ、クロノログは日本語版を自作したくらいなので、ちょっと思い入れがあるというのはあるけどね。

先に悪い点を書いてしまうと、スケジュール帳が手渡し不可。この現象でスケジュール帳を手渡ししないというのは、マジシャンにとって都合が良い面が多く、原理上のかなりの制約を解決できる。が、その分、現象のクリーンさがかなり失われる(と、私は思う)。現象からすれば、一番怪しい道具はスケジュール帳なので、それが手渡し不可なのはクリーンじゃない気がする。クロノログを始め、スケジュール帳は手渡しして、観客が自分で思った日付けを探すという演出は私は重要視したい。マニアなこだわりかもしれないけど、私はこだわりたい。思った日付けを聞く前に手帳を渡すことができるというのが、私がクロノログで一番気に入っているところでもあるし。
あと、これは原理上そうなっているんだけど、スケジュール帳もじっくり見られると都合の悪い面がある。正直、動画を見て「原理はこうかな。そうだとこういう問題ありそうだけど…」と思ったら、まったくそのままで、問題と思ったところもそのままでかなりがっかりだったというのもあって。まあ、この点はこの原理(というか現象というか)ではトレードオフの関係にあるところで、私はクロノログくらいのバランスがいいと思っているというだけの話という気もするし、好みのあるところかなという気もする。演技としてはじっくり見せなければいいので、そういう意味でも手渡ししないというのは、一貫しているとも言える。

良い点は、あまり無理がなく実用的というところか。トラブルになりにくいし、演技上、注意すべきような難しいところもあまりなさそう。もちろん、マジックを盛り上げるための演出とかそういう話はあるけど、それは別に、このマジック特有の問題でもないし。

で、現実問題、例えば「クロノログがお勧め」と言ったところで取り扱っているお店は日本にあまりないし、あっても手帳は英語しか書いてないしで、演じるとなると大変。なので、この現象のマジックを演じてみたい人にはグレゴリオは現実的なマジックとしてお勧めの部類になると思う。

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2014年01月13日

Inferno(インフェルノ)

マジックのレビューは久しぶり。何にも買ってないということはないのだが、あまり気に入ったマジックはなく、気になるのはあっても「一度実演してみないとなあ」と思いつつ実演してないままというのも多くて、レビューするネタがほぼない状態。そんなところで、実演はしていないけど、「これはよく出来ている」と思うマジックが久しぶりにあったのでレビューしてみる。
そのマジックはインフェルノ

このマジックを見て思ったのだが、メンタルマジックは特に
(1)原理
(2)ギミック
(3)スライハンド
のバランスがポイントではないかという気がする。メンタルマジックに限らず、基本的にはマジック全般がそうなんだろうけど、特にメンタルマジックでは「怪しさを感じさせない」ということが他のマジックよりも重要だと思う。そのため、これら3つのバランスをうまくとって、怪しさを感じられにくくするのがポイントになりやすいのではないかと思ったり。
まあ、スライハンドを怪しさを感じさせずに完璧にできる人ならこんなことは考えなくてもよいのかもしれないが、なかなかそうはいかないので原理やギミックをうまく使う必要がある。しかし、原理だけではタネがばれやすい(気がつかれたらもう終わり)という問題があり、ギミックも道具に怪しさが出やすいのと、ギミックの扱いが難しくなりがち。というわけで、それぞれうまくバランスを取る必要があるという感じ。
同じような現象のマジックは他にもあるけど、推測するに(買ってないマジックもあるので…)、このマジックは非常にバランスがよいと思った。

持ち運びが楽なのもいい。マッチ箱さえ持っていればどこでもできる。少しスライハンドが必要だけど、少しであって無理はない。リセットもさほど難しくはない。オフビート状態ならできるでしょう。ギミック(というほどでもないのだが)もよくできていて扱いやすい。
短所は、まあ、この手のマジックにはしょうがないけど、メンタルマジック特有の難しさがある。原理はシンプルなんだけど、それゆえの難しさがある感じ。

このマジックのキモとなる原理の話をすると、基本原理としてはワン&オンリーと同じ。という表現はちょっと誤解があるか。ワン&オンリーで使っているのと同じ原理をうまく活用しているという方が正確か(どこが違うのかと聞かれると困るが)。
正直なところ、ワン&オンリーを知ったとき、このインフェルノの手順(原理)は頭をよぎったよ。まあ、ギミック部分やスライハンド部分は何も考えてなかったけど。ただ、そのときはある不自然さ(大袈裟に言えば矛盾)が気になって、それ以上追求しなかった。その気になった部分はそのまま残っているんだけど、気にするほどではないということなんだろうな。よくある「気にするのはマニアだけ」って奴で。この辺りは実際に演じてみないと何とも言えないんだけど。感触として「言われてみればそうかも」という気はする。
この原理の使い方としては「ここまでが限界」という気もする。この辺りが、このマジックのバランスが良いと思うところ。ワン&オンリーではギミック部分がちょっと大変。

というわけで、久しぶりにやってみたいと思うマジックで気に入った。あとは実演しながら磨いていく感じかな。

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2013年11月02日

ホテル(予言された宿泊先)

このブログも今月末で9周年ですかあ。知らなかった。まあ、更新頻度も適当で何のプレッシャーも感じずにやっているから続いているのかなという気はかなりする。

今回はさらりとホテル(予言された宿泊先)のレビューなど。他にもテンヨーの新作もレビューしたいところだけど、それはまたの機会に(例によっていつのなるかわかりませんが…)

先に結論を書いてしまうと、私はIt's a Matchの方が好き。もちろん、好みがあるところなのは間違いないが、私はシンプルで演じる上で楽なのでIt's a Matchの方が好みである。
ホテルは現象を2段にしているところが工夫というか、It's a Matchとの最大の差であろう。2段目の現象は同じようなもんだし。1段目の予言じゃない読心術(だよね?)の現象はIt's a Matchではできない現象なので、この現象に魅力を感じるかどうかがホテルの評価を左右すると思う。
理屈としてはホテルは第1段の現象が第2段の現象をより不思議に見せていることになるわけだが、その分の手間というかコストがかなりかかっている感は否めない。覚えることもあるし、実際問題、結構手間。だったらストレートに第2段のみ、つまりIt's a Matchiと同じ現象だけでもいいんじゃないかという気になってきて、そうなるとホテルの優位性はほぼなく、It's a Matchの方がいいというのが私の感覚。
名刺だから携帯性がいいとかそういう面もあるんだけど、逆にクロースアップでしかやりにくいところもマイナス要素。It's a Matchは毎月のマジックショーでもために演じているが、ちょっとしたサロンでも十分通用する。ホテルではなかなかそうはいかない。It's a Matchはクロースアップでも何も問題ないし。

と、ホテルについてかなり否定的なことを書いたけど、あくまでIt's a Matchと比較しての話である。ギミックの自作は無理とは言わないが面倒。2段の現象は確かに互いの現象を補強しているので、より不思議なマジックという意味ではホテルはよくできている。ただ、ホテルは斬新な原理とかではなく、原理は完全に既存のものなので、そこはあまり期待しないように。

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2013年09月07日

Oracle Pad V2.0

「マジックをまったくやってないわけじゃないんですよ」アプールのために更新。まあ、最近は本をじっくり読んだり、技法を練習したりという感じじゃないので、気になったネタ物を買うだけなんだけど。メンタルマジック中心だとそれでもあまり気にならない(ということにしておこう)。

というわけで、最近購入したオラクルPad V2.0を軽くレビュー。V1.0は持ってないのでその差は知らない。結論から言えば、私は気に入ったが値段分の価値を感じるかは本当に人それぞれでしょう。

ある意味、非常にレビューが簡単とも言える。なんせ現象はリンク先の動画の通りで「スワミギミックでできることはたいていできる。できないことはできない」と言い切ってほぼ問題ないギミックである。(たぶん)スワミギミックの方が応用範囲が広いので、「スワミギミックでできてオラクルPad V2.0ではできない」ことはそれなりにありそうだが、逆はたぶんない。オラクルPad V2.0ではこの手帳にしか書くことができないのだから当たり前。
だから、スワミギミックを使える人にははっきり言ってほぼ無用のギミックである。いや、まあ、手が完全に空とか、長所があるけど、そこに値段分の価値があるかというとかなり微妙な話ではないだろうか。
だから、私が気に入ったというのは私がスワミギミックを使いこなしていないという点がかなり大きい。前にも書いたけど(その1その2)、ブーンライターは私の体質に合わず使いにくい。他のもいくつか試してみたけど、色々大変(練習が足りないだけと言われると反論できないけど)。

オラクルPad V2.0はギミックとしてはよく出来ていて、さすがに色々と楽。手が空というのはやっぱり楽でいい。これなら「やってみようかな」という気になる。例によって精密なすごいギミックというわけではなく、値段の大半はアイデア料だが、自作が簡単な訳でもなく、まあ、こんなもんかと「私は」思う。
という感じで既に良いところは説明完了な気がするので悪いところを。リンク先の文章が色々と… うーん、種に触れないように説明するのが難しい。リンク先の動画では肝心なところが省略されているけど、それはそういうことなわけで。それでも、動画に写っている範囲でこのギミックの制約というか、不自然なところは一部写っているので気になる人はよく見てみて下さい。
他にはリンク先に「予言を書いた面(カバーされている)は常に観客側にあります。」とあるが、現象面から考えて「それは本当に長所なのか?」ということ。逆にスワミギミックなら手帳の向きを変えることなく、観客に自然にそのまま示すことができるとも言えるわけで。カジュアルな自然さとでも言えばいいだろうか。演技がスムーズで自然。この点に関してはスワミギミックの方が勝っているのではないかという気がする。

私はこのギミックは十分実用の範囲だと思うが、値段と効果を考えるなら、スワミギミック使える人はスワミギミックで十分だと思う。私のようにスワミギミックが苦手だけど、この手の現象をやりたいという人には価値があると思う。もちろん、値段分の価値があるかは人それぞれ。

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2013年08月12日

Tick Tock

いつもながら忙しい。一杯仕事抱えて優先度が訳わからない状態に陥ったので、夏休み明けに上司と相談の予定。もう、本当に何が何だか。だいたい、最近、英語での打合せ増え過ぎ。日本にいても結構多い。英語で会話するのは話すのも聞くのも疲れるので勘弁して欲しい。さらに技術的に難しい話だったりして、日本語でも説明が難しいことを英語で説明しろと言われてもねえ。

さて、更新が滞り過ぎているので、ちょっと無理矢理に。最近、いい話のネタなくてねえ。
最近買ったマジックからTick Tockを軽く紹介がてらレビューしてみる。現象はリンク先の通りで、二人に適当に竜頭を回してもらった時計の時刻が一致するという現象。
実はこの現象そのものはかなり前から気になっていて、やってみたい現象だった。最初に見たのはMind Mysteries Vol.1のWatch Routineだったか、別のマジックだったか。こちらは適当に竜頭を回した時計の時刻が別の観客の書いた時刻に一致するという現象。現象のシンプルさではWatch Routineの方が好みなのだが、リンク先にも書いてある通り、このマジックに適した時計が見つからない。一時期かなり本気で探して時計屋さんでも色々聞いてみたんだけど「昔はそういう時計あったかもしれないけど、今はもうないねえ」ということで、あきらめた。
ということもあって、同じような現象ができるということでTick Tockは「とりあえず、買うしかないでしょ」ということで買ってみた。
正直、買う前から原理の想像はついていた。動画見て、リンク先の説明を読めばだいたい想像がつく。実際、その想像通りだった。まあ、それが悪いというつもりはなく、観客が直接操作する道具が手渡し可能な道具であるというのはトラブルになりにくく安心感がある。驚くような原理ではないし、驚くような道具でもない。ただ、扱いやすい道具だし、ハンドリングもよく考えられていて実用的だと思う。まあ、慣れていない人にはちょっと難しいかもしれないところがあるのが難点か?鏡の前で練習が必要というまあ、そんな感じ。そういう意味では原理というかハンドリングはメンタルマジックっぽくないかもしれない(現象はメンタルっぽいからまあ、この辺は考え方の問題か)。
使い勝手がいいと思うのは、ある意味シンプルな原理なので応用がきくところ。まあ、基本現象のみでも十分なのだが、好みで色々な手順をつくれる。あとはリセットが不要(自動的にリセットされる)ところも面倒がりの私にはちょうどよい。

「お気に入り」という程ではないが、当然ながら他にない現象なので、レパートリーに入れておきたいマジックだと思っている。

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2012年11月02日

ノストラダムスの箱

ネット上の知人のマジックの訳本が手元に届く。久しぶりにマジックの本をちゃんと読む。まだ、半分しか読めていないがかなり興味深い。まあ、パーフェクト・ファローを数回とかはちょっと無理だけど(でも、このマジックはサトルティが効いていて興味深い手順なんだけどなあ。意外性とインパクトも十分あるし)。まあ、全部読んで理解したら、ここに提灯記事でも書こうかなと(笑)。

このブログ、もっとサクサクと更新したいんだけど、書き始めると長文になってしまう自分の悪癖が問題で、書くのに時間と労力がかかってしまうのでなかなか手がつかないという自己矛盾状態。簡潔に書く能力が欲しい。

さて、今回は前にも書いた「使えない安いマジックより高くても使えるマジックを」のコンセプト(?)のもとに購入したノストラダムスの箱を紹介してみる。
その前に誤解がないように言っておきたいが、「高いマジックは使える」ということを言いたいわけではない。高い理由が問題で、「高い上に使えない」というひどいマジックもある。「あんたが使いこなせないだけ」という批判は甘んじで受けるが、少なくとも「高いマジックの方が使いやすくていいマジック」ということはない。「(個人的印象として)確率的に高いマジックの方が使えるものが多い」というだけのことである。安くて名作もあるしねえ。

前置きはさておき、まだマジシャンにしか見せてないが、非常に好評だったマジックである。「あの箱のマジック」と呼ばれかなり強い印象を残したようである。現象はリンク先に動画もあるので見て頂いて、まあ、the card at any numberというところか。。
この手のマジックはよくあるマジックで、原理も出尽した感があって、たいていは既存の原理そのままか組合せによって実現されている。このマジックも例外ではない。しかし、機構というか何というか、非常によく出来ている。
デック、箱は完全改め可能というか仕掛けがない。この安心感は非常にポイント高い。デックは完全にレギュラーで好きなデックを使える。ちょっと慣れというか、言われた枚数によって考える必要があるが(この手のマジックではある意味しょうがない)、「何かした」感がまるで感じられない自然さがあってマジシャンでも追いにくいマジックと言えよう。
正直なところ、買う前に「原理はたぶんこうだろう。でも、機構は想像つかない」と思っていた。で、買ってみて、原理は予想通りで、機構が想像していたよりも遥かにシンプルで驚いた。この手のギミックはシンプルであればあるほど良いと思う。トラブルになりにくいし、セットアップも楽。この点でもポイント高い。

欠点をあげるなら、まあ、欠点と言うには何だけど、当然セットアップは必要。簡単だけど、こっそりとセットアップする必要がある。あとは上記のようにちょっと考える必要がある。これは慣れればどうということはないと思うけど。
つまり、演技上、目立った欠点は無いと言える、よく出来たマジックだと思う。値段は単純にほぼ箱代じゃないかねえ。もちろんアイデア料もあるだろうけど、見た目にきれいでしっかりした箱で、持ち運び用に袋がついているのも地味に便利。チェーンを入れる内袋付きで使い勝手がよい。

この現象を起こしつつ「箱に仕掛けがない」というのはマニア殺しではないかと思う。マニア以外にも十分受ける現象だし。もちろん、何の仕掛けもなく、この現象は起こせないので、仕掛けはあるのだが、繰り返すが箱は完全改め可能。巧妙でシンプルはこの仕掛けには感心するばかりである。

いい値段するので、この値段をどう考えるかは人それぞれだとは思うが、私は十分値段分の価値があると思うし、上記の通り、大変満足している。

posted by shadow at 18:42 | Comment(10) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月13日

Matrix Poker

しまった、7月に更新できなかった。というわけで、ようやく夏休みに入ったので本当に久しぶりに更新など。水戸マジッククラブのホームページの更新がまだだけど、それはおいおいと(正直、「活動報告」の例会の「詳細」はもう書くのやめようかと思っているんだけど。面倒な割に情報量がない気がして、あまりやる気がでない。会員向けの動画編集は続けるつもり)。

最近、かなりマジック熱が下がっている。最近始めた趣味である将棋の方にかなり時間を割いているという事情は大きそうだが、どうも最近、食指が動かない。そんな感じ。特にメンタルマジックは。気になるレクチャー物もあまりないし、ネタ物もあまりない。本はいい本が最近何冊か出て、一応、買ってはあるけど、正直億劫だ。前にも書いた気がするが、「演じる」という観点に立てば、今あるレパートリーで十分で困っていないという現実的な話もある。
でもまあ、「趣味ってやつは、他人に迷惑かけなければ、自分の好きなように楽しめばいい」と開き直っている。

さて、マジックには関係ないが、将棋漫画の「3月のライオン」で興味深い一節を見つけたので以下引用。将棋の世界は文字通り「勝負の世界」であって、優劣が明確でごまかしようがない。そんな中、作中の行き詰まった感のある棋士が思ったことがこんなこと。

「信じれば夢は叶う」
それは多分 本当だ
但し 一文が抜けている
「信じて 努力を続けていれば 夢は叶う」
−これが正解だ
さらに言えば
信じて
他のどのライバルよりも1時間長く 毎日 努力を続ければ、ある程度の夢は かなりの確率で
叶う−だ
キャッチコピーというものは 短い方がいい
−でも これは あまりにも はしょり過ぎだと思う
それじゃまるで
「何もしなくても」「ただ信じていれば」
叶うみたいじゃないか
この文章を
ここまで削ったヤツに
何を思って
ここまで削ったのかと
問い質したい

「他のどのライバルよりも1時間長く」の辺りは「夢」によって表現が変わるだろうけど、概ねそうかなという気はする。努力もしないで夢を叶えようというのは、夢を見過ぎだろうという気はする。中には「天才」って奴がいて、人が必死の努力でたどり着いたところに、たいした努力なくたどりつく奴はいる。「そういう奴は見えないところでやっているんだよ」という話もあろうが(実際、そういうこともあるだろうけど)、少なくとも私のレベルから見れば天才はいる。大学受験、その後の大学生活で思い知ったことの1つである。しかし、そういう例外を除けば、努力なく夢は叶わない。努力なく叶う夢だとするならば、それはたぶん夢と呼ぶには目標が低い。
最近、将棋の勉強をしながらしみじみとそう思う。強くなるには努力あるのみ。マジックもそうだけど、うまくなったかどうかが目に見えてわからないのが辛いところ。そもそも、マジックについては漠然とした目標もなく、「面白いからやっている」という面が強く、「強くなりたい」という漠然とはしているが、それなりに目標のある将棋とは取り組み方が違うのも当然な気がしている。

さて、久しぶりのせいか前置きが長くなったが、今日は少し気に入っている小物をレビューしてみる。Matrix Pokerである。現象はリンク先参照(いつも通り)。まあ、動画もあるし、原理は古典だし、たいていのマジシャンは普通に追えるでしょう。ただ、オチがきれいでわかりやすく、道具立ても自然で、自作も面倒そうなので購入。
何度もこのブログに登場する「私の会社の同僚」には絶対に通じない自信があるが、普通に(?)演じる分にはオチの強烈さもあって、結構いいマジックだと思う。実際に演じてみたが反応は悪くなかった。

この原理を始めて見たのはたぶんマーチン・ガードナー・マジックの全てだと思う。いらないカレンダーでもあれば、即興でもできるいいマジックである。ただ、このマジックの欠点はやってみればわかるが、選択肢が減っていくことが目に見えてわかること。この点については上記のマーチン・ガードナー・マジックの全てのP.186にマックス名人の非常に巧妙なハンドリングが紹介されている。「さすが」とも言えるアイデアで、原理的には何も変わっていないのに、一度に全部決まった印象を与えることができる。残念ながらこのマジックでは使えないハンドリングだが。

私は財布に小銭を入れて演じている。財布とパケットだけあれば演技可能で余分な物は必要なく持ち運びも楽でいい。何より従来の現象にオチを追加しているところが面白い。原理的には追加するのはまったく難しくないのだが、観客の印象はかなり違うだろう。この手のマジックで観客が感じやすい違和感は「なぜ、合計数字の予言なのだ?もっとずばりの予言はできないのか?」というものではないかと思う。それはもちろん、原理的なマジシャンの都合なわけで、演出でどうにかするにも限度がある。その点をこのオチはクリアしているというか、そう観客が思った(かもしれない)タイミングでもっと具体的な予言を示すことができるのはルーティンとして興味深いと思う。
欠点をあげるなら、上記の通り、この原理では避けられない「選択肢が目に見えて減っていくこと(最後の1枚は選択の余地すらない)」と、このマジックでは16枚のカードを4×4に並べるのでそれなりにスペースが必要なこと。普通サイズのクロースアップマットでは、サイズにもよるが少しはみ出るので、結構なスペースが必要だ。

最近、食指が動くメンタルマジックがなく、そんな中で最近買ったマジックの中では結構気に入っているマジックである。別にメンタルマジック以外でも面白そうなマジックがあれば食指は動くと思うのだが、どうも最近そういうのがない。最近買った本はちゃんと読めば面白そうではあるのだが。
というわけで、まあ、最近、かなりマジック熱は下がっている。でも、一応続けてはいるということで。新製品も一応、小まめにチェックしてはいるよ。

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2012年04月08日

Phil Plus

某所の全国オフは残念ながら今のところ不参加の予定。とっても行きたいのだが、その日は水戸マジッククラブの例会のため、「会長」という立場上、例会優先かなあと。私抜きで例会をやったことがないわけではないけど、それはどうしようもない事情があってのことで、基本的に私は例会の方を優先するべきだと思っている。

Twitterで文字通りぼそぼそつぶやいているけど、最近、睡眠時間がぐちゃぐちゃ。昔はフレックスで遅めに出社とか普通にしていて、どうにかバランスとってたんだけど、最近は立場というか、部下(外注含む)も増えて、やっぱり定時から会社にいないと周囲に迷惑というのは事実で、何とか朝、定時に会社に行けるように起きる努力をしている。普通には「そんなの当たり前じゃん」って話なんだけど、完全に時間のリズムが狂っていて、私には容易じゃない。根本的に仕事の量が多く、寝るのが遅いのが問題で、「気合い」だの「やる気」の問題ではないという意味で根は深い。とは言え、無策というわけにもいかないので、とりあえず、「事実確認」ということで、睡眠時間について記録を取ることにした。「レコーディングダイエット」なんてものがあったけど(効果のほどはさておき)、事実を客観的に数字で見ることで意識が変わるというのはある話だと思うし。でも、それが簡単にできないと続かない。そこで、iPod touchの活用。「快眠ノート」と「sleep cycle alarm clock」を導入してみる。快眠ノートはボタン1つで布団に入った時間と起床時間を記録してくれるので使いやすい。sleep cycle alarm clockは調べてみると目覚し機能については賛否両論あるようだ。しかし、「睡眠状態の記録ツール」としては興味深いデータが取れるのは事実らしく、今日、早速試しに使ってみたが、ちゃんとスイミンのリズムを記録している。グラフがあまりにきれいなので「これ加工してない。本当にこの通り?」と逆に疑いたくなるくらい。1日のデータで判断してはいかんのだが、このグラフを見る限り、私には7時間半くらいの睡眠がちょうど良さそうだ。平日にそんな睡眠時間はとても取れないが… まあしばらく様子見。

さて、前置きがかなり長くなったが、今日は久しぶりにレビューしてみる。過去ログ見るとなぜか取り上げてなかったので。鞄の中に常備されているネタで、数え切れない程演じているネタなのに。というわけで今日のネタはフィル・プラス・デック。最近、Phil Plus 2なるのも発売されているようだが違いはよくわからない。
ブランクの状態での販売には賛否があるかもしれないが、自分の好きな演出でできるという意味でブランクであることは私はありがたいと思う(面倒だけど)。
私は予言の紙を小さく作って、さらに小さい封筒も作って、それに入れて、封筒をデックの中に入れて使っている。これなら「予言の封筒を無くす」心配もなく携帯性もいいから。

単純な原理で、原理的に目新しいことは何もないが、私は大変気に入っていて、状況によるが「軽く何か1つ」という状況でもこのマジックを演じることは多い。私は「女性の名前」で演じている。これは、正直に言ってTVで見た前田知洋氏の演出のパクリ。方法は(たぶん)違うけど、演出としては同じで、予言の紙には女性の名前が書いてある。
リンク先の宣伝文句にも嘘やまぎらわしい表現はなく、間違いなく書いてある現象を起こせる。しかも簡単でセルフワーキングである。観客の受けもかなりいいと言える。デックの手渡しは不可だけど(前田氏は手渡しして完全に調べさせていたけど。だから方法が違うと思うわけ)、そんなのは気にならないレベル。現象を2段にしているのが非常に巧妙で1段目が2段目の、2段目が1段目の間接的な改めになっていて、デックに不信感を持たれる可能性は低いと言える(実際、どうこう言われたことは一度もない)。
あとは演出をどうするか。私は何も考えずに上記の通り、女性の名前にしたが、そこは本当に好みで色々考えられるところ。まあ、正直、女性の名前をたくさん書くのには苦労したが。一覧表作って、妻にも「他にない?」とか聞きながら結構苦労して作った。
TVで前田氏の演技を先に見ていたおかげであるが、予言に「女性の名前」が書いてあるのは、意表を突いていて面白いと思っている。「意味がわからない」というリアクションが得られて、うまく間を取りつつ意味を説明して、確認すると不思議な現象が起きているという流れは個人的に非常に面白いと思う。そこからさらに2段目に入って、オープンプリディクション的な不思議を見せられるのは全体的な構成としてよくできていると思う。
リセットが簡単というか事実上不要なのも便利。テーブルホッピングでも非常に使い勝手が良かった。

レギュラーデックでの自作は不可能。買わないと無理。「簡単で受けがよくリセットも楽」という、非常にありがたいマジックで私のお気に入りのマジックである。

posted by shadow at 14:52 | Comment(2) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月02日

小川心平のIdentity

突然だが、Twitterでちょっと触れたこともあって「泣ける漫画」について軽く書いてみる。もちろん、私が読んだ範囲で「聞いた話」は除外。
Twitterに書いたのは「修羅の刻第4巻」、マイナーな漫画(だと思うんんだけど)だけど、悲しみの涙か、感動の涙かどちらかわからないような涙が出そうになる。終盤の見開きでの主人公の「死ぬなよ」の一言の重さが涙をさそう。そして、その言葉の重さを感じとり本当に死なない女性。それが「修羅の門」の第3分のラストで涙をまたさそう。単なる格闘漫画ではない深さをこの漫画には感じて、昔から何回も繰り返し読んだ漫画である。
次に思い出したのは「タッチ第7巻」。まあ、これはその場面そのもの有名でTVでそのアニメのシーンをよく見るし説明不要でしょう。「嘘みたいだろ」で有名なあのシーン。素直に涙が出る。
他には今や大人気のワンピースの「ゴーイングメリー号」の最後。うまく言えないけど、人に死よりも何か心に訴えるものがあった。
今、ぱっと思い出せるのはこんなところかな。あまり漫画で泣いたりしないし。
「鳥肌が立った漫画」という意味では上記の「修羅の門」は強烈。後にも先にもあんな経験したことない。第10巻後半、「死ぬのはお前だ」という主人公のセリフから始まる数ページは背中がぞくぞくして鳥肌が立った。おっさんのくせに今も漫画は読んでいるが、あの感覚はもう味わえないのではないかと思う。

というどうでもいい前置きはおいといて、小川心平のIdentityを購入して、気に入ったので軽くレビューしてみる。正直、ついでに買ったもので、ある程度は期待していたものの、原理は想像つくし、「カジュアルに楽にできるなら使えるかもなあ」くらいの認識で購入。別にエロい目的で買ったわけではない(笑)。
見てみたら、想像以上にカジュアルにできて巧妙で「これは使える!」と思った。原理はこの手のマジックでは定番のいつもの「あれ」なんだけど、カード以外に余分な物が必要ないのは便利。ただ、ちょっとネタばれすると、スライハンドが必要で普通の紙ではちょっときつい(十分できる範囲だけど)。ダブルブランクを使うと楽そうなので試してみようと思っている。
現象的にはオスタリンドも似たような現象の手順を発表していて、明確に対応するカードの裏に書いていることが示せる(手渡しすら可能)というのはこの手のマジックとしては大変魅力的。それでいて、余分な道具や準備はまったく必要ない(オスタリンドのはちょっとだけ準備が必要だけど、ちょっとだし、テーブルホッピングのように繰り返す場合には自動的に準備ができている)。テーブルも必要ないし使える場面は多そうな気がする。まあ、メンタルマジックをカジュアルに見せるのは、それはそれで難しいのだが(そういう意味では小川氏の見せ方は面白いんだけどね)。

問題はこの原理につきものの、「あれ」をどう対処するか。説明書によるとリンク先で言うところの「最後は大爆笑のオチも用意されていて」がその解決策なのだが、私のキャラではきつい。相当うまくやらないと、単に「ごまかした」感が出る気がする。小川氏のキャラクターには合った方法なんだろうなという気は確かにするけど。オスタリンドのは巧妙だけど、準備が必要で(手順の流れとして自然なやり方ではあるのだが)、そこはやっぱり避けて通れない。
この問題については、まあ、色々な考え方があるけど、他に道具用意していいならデック用意するのが簡単。でもそうすると、一気にこのマジックの雰囲気が変わってしまう。と書いていて思ったのは、ゆうきとも氏の「表裏一体」の前半部分を使うというのも悪くない気がした。3択になるけど、現象そのものが3段現象で1段くらい少々弱くても問題なかろうと思う。3択でも十分不思議とも言えるし。少なくとも余分な道具が必要なく言葉だけで済むのは魅力的。
度胸があるなら、ユリ・ゲラーが得意にしていた「世界の中で好きな都市を1つ」というのも考えたのだが、ルリ・ゲラーは外しても成り立つ(むしろリアリティが出る)のに比べて、3段のうち3段目だけ外すという事態は避けたいので、ちょっとやってみる勇気がない。
オスタリンドはこの問題を解決した手順も発表しているけど、あれは道具出てに制約があり、他のマジックに応用がすぐにできるものではない(と記憶に頼って書いてみる。DVDは埋もれたままで見つからなくて)。

というわけで、この原理につきものの難所を考える必要はあるものの、アイデアは素晴しく、ぜひやってみたいマジックである。とりらえず、ダブルブランク買ってやってみようと思っている。4枚あれば1手順できるので、1デックあれば、結構できるし。「ついで」に買った割には満足している。

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2011年08月10日

Platt Pad

我ながら、怠惰な夏休みを過ごしている。「のんびり過ごしている」と言えば聞こえばいいが、単にダラダラしているだけ。どうにもやる気が出ないというか、しゃきっとしない。さっき、久しぶりにmMLを1つ見た。もう1年半ぐらい溜まっているのだが。これいつ見るんだろう。見ればいつも何か得るものがあるので、見たいとは思っているのだが。
他にも読んでない本、見てないDVDは一杯あるんだけどねえ。
一方で売りネタも買ってたりして、収拾がつかない状態。自分のことなのに何が何だか。

という、よくわからない状況の中、買ったネタから1つレビューがてら紹介。表題のPlatt Padについて。
久しぶりに原理の推測がついてない状態で買った商品。そういうのはハズレの可能性が高いので、ほぼ手を出さないようにしているのだが、Osterlindが推薦しているので、ちょっと興味を持って買ってみた。

結論から言えば気に入っている。リンク先に書かれているように確かに「スイッチング機材」なんだけど、動画では推測できなかっただけあって、よくできた機構で、簡単かつ自然にスイッチできる。手順としていい感じにミスディレクションが効いているし、動きも自然。機構はよくできているがシンプル。シンプルな方が壊れにくく扱いやすくていいと個人的には思っているので、これは結構使いやすいと思った。動画はリンク先にあるので、それを見てもらうとして(いつものこと)、ちょっと練習すれば、この現象ができる。
「スマイル・ハッピー/サッドステッカー」が付属しているのも親切。正直、精度というか出来のよいステッカーではないが、まあ、演技上は問題ないレベルかと。欲を言えば、動画で使っているようなジョーカーを必要枚数つけて欲しかったかな。フォーシングデックは持っているはずなので、個人的には問題ないのだが、震災以降、部屋がまだ片付いてなくて(夏休みのうちにどうにかしようと思いつつ手がつかない)、実は見つかってないんだよね。ブランクフェイスデックは見つかったので、とりあえず、ステッカーを貼って、一手順はできるように準備はできたけど、個人的にはジョーカー使った手順の方が好きだなあと思っているところ。まあ、部屋を片付ければ見つかるはずなんだけど。

付属のDVDはギミックの基本的な使い方を説明した後、延々とその応用というか、色々な手順が収録されているというパターン。ギミックを知っていれば、演技を見た時点で解説不要な感じなんだけど、解説も全部の手順にあって、真面目に見るとかなり時間かかる。中には単に手渡し可能な状態にするためだけにギミックを使っている手順もあって、「追われてないのに逃げるな」を心情とする私から見れば「無理にこのギミック使わなくていいんじゃないの?」と思う手順もあったりして、結構飛ばしながらDVDは見た。
その背景には、このギミックを出す理由が必要というのもある。見た目は大きいメモ帳であるが、何の説明も意味もなく出すには十分怪しい道具である。何か書く、あるいは何か意味がある(ように見える)ことが書いてあるといった演出が必要であろう。そういうことを考えたとき、動画にあるようなストレートな手順、現象の方が使い勝手がいいし、このギミックがいきてくるように思う。

リセットは無理で、セットアップが必要。なのでテーブルホッピングは当然無理。場所もとるしね。ちょっとしたサロンなら使えるかもしれないが、テーブルが必要で、テーブル上でやる作業もあるので、状況を選ぶかなあという気もする。でも、私好みのマジックで動画は素直に不思議だったので、チャンスがあればやってみたいマジックである。いい買い物したと思う。

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2011年02月13日

透視のESP

3連休だった割にはあまり時間がなくて(単に寝ていた時間が長いだけだけど)、マジックのDVDは1時間程度しか見れなかった。後は細々と新ネタを調整してみたり。というわけで、あまりまとまったネタはなく、今回は小ネタをいくつか。一応メインはタイトルのマジックで。

録画しておいたマジックを見たのは色々と得る物があった。
ふじいあきら氏のサムカフの演技はとっても参考になった。どうしてもネタの部分が気になって(自然に、ばれないようにやる自信がない)、お蔵入り状態だったのだが、ふじいあきら氏の演技を見て「これは自然。これならいける!」とか思って、サムカフ探したよ。普段使わない道具はどこに置いてあるかわからない状態だからねえ。おかげで他に探していたマジックも見つかったりしてね。一度、すべて整理して、山のようにある不要なマジック整理しないとねえ。とりあえず、サムカフは見つかったのでよしとする。鍵が別の場所にあってこちらも苦労したけどね。あとはちょうどいいスカーフがなくて検討中。そこそこの大きさが必要なんだけど、手元にあるのでは滑りが良くて逆に使いにくい。うーむ、微妙な話だ。

他にはRYOTA氏のiPhoneを使った読心術マジックがかなり不思議に見えた。「アプリで出てるのかな?」とか思って探してみたが見つからず。そのときに代わりというわけじゃないんだけど、見つけた「Time Lord」とDavid Braineの「Street Magic」というアプリがなかなか面白く気に入った。「Time Lord」はこの手の現象は本物の時計でも出来るんだけど、色々と微妙なところがあって、やってみたいと思いつつ、やったことのないマジックだったのでかなり気に入った。「Street Magic」もなかなか面白い。原理的には既存のものだけど、電子的にやることで、それがかなり確実になっていて、かなりいい感じのマジックになっていた。応用も効くので、他のマジックにからめてもいいかも。ただ、絶対ではないので、小心者の私はアウトも用意しておきたい。何かいいアウトはないものか。いや、まあ、演じるマジックによると思うけどね。
気になったのは、どちらのマジックもレビューではあまりいい評判ではなくて、たぶん、マジックに詳しくない人が購入してレビューしているんじゃないかなあと思ったこと。私の感覚では、これらのマジックがこの値段なら十分過ぎる程、元がとれていると思うんだけどなあ。

で、ようやく本題の透視のESPについて。小ネタだけど、なかなか面白く使い勝手が良さそうなので、軽くレビューを。演じたのは1回だけだけどね。
商品説明を見た時点で原理は想像がついていたので、逆に安心して購入。この原理そのものは100円ショップで売っているのを見た。あれは出来が悪くて失敗しているマジシャン見たことあるけど。
「透視のESP」はさすがにしっかりしたギミックで、まず間違いなく当てられる。そこの負担が軽いので、演出に集中できるのがいい。セット不要で、手渡し可。ぶっちゃけ、ギミックを手渡しすることなるんだけど、気がつく人はまずいないだろう。数学的考え方に強い人はもしかしたら気がつくかもしれんが、少なくとも演技前に改める分には大丈夫と思う。演技後は「論理的に考えて、怪しいのは…」と種にたどりつく可能性は否定できない。まあ、演技後の改めは無理にやらなくていいと思う。
あとは、見ての通りの封筒とカードだけで、他に何も必要がないというのも楽でいい。私は5枚の封筒をクリップで止めて鞄の中に入れている。持ち運びが楽。時間もかからないし、シンプルな現象で、テーブルホッピング向きだなと思って、かなり気に入っている。ギミックも繊細なものではないから気を遣わなくていいし。
何より安い!通販でこれ単品で買うとなると、送料とかかなり無駄に思えるので、何かのついでに買うのがいいと思うけど、逆についでに買えれば、かなりコストパフォーマンスは高いと思う。

本当はマックス・メイビンの「マルチプリシティ」を早く見たいんだけど、なかなか時間が。冒頭の1時間だけ見たDVDとはこれのこと。まだ見終わってないせいもあるけど、今までの自分の考えとは違う考え方を説明していて、ちょっと混乱している。よく考えて自分なりに整理しないと。逆に言えば、考えを整理するいい機会になりそうとも言える。問題は残りをいつ見れるかなんだけどね。

posted by shadow at 22:59 | Comment(6) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月31日

ダイヤル式の鍵のマジック

せっかくの冬休みということで、今年最後の更新を。
普通は今年1年の総括とかするものかもしれないけど、面倒なので、普通に。まあ、軽く振り返ると、とりあえず、仕事が忙しかった。で、来年、今年以上に忙しくなることは確定(仕事は増える要素はあっても減る要素はない)。マジックもあれこれやったけど、特段、大きな進歩があったような気はしていない。
というわけで、普通にレビューでも。

今日の話はタイトル通り、数字のダイヤル式の鍵を使ったマジックについてレビューというか思うところを少々。
今手元にあるその手のマジックは

(1)ナンバー・ロック
(2)ドリーム・ロック
(3)0120:フリーダイヤル

の3つ。この手のマジックではバースデイロックが一番定番な気がするのだが、これは以前に知り合いのマジシャンに見せてもらい、私の好みに合わないというか、どうにも使いにくい気がして購入してない。現象そのものは好みなのだが、ギミックがどうにも。はっきり書くと、リンク先の現象にある「観客は、いろいろな数字で試しますが、鍵は絶対に開きません。」は保証されていない(というか開くことが結構な確率である)のが気に入らなかった(私が見せてもらったのと同じであれば。違ってたらすいません)。
で、持っている上記3つでいくと、(1)がお気に入りというか、(1)はかなりの頻度で演じている。リンク先の「現象2」の方をよく演じている。メンタル風に「3桁の数字を思い浮かべてもらうのですが、今は何も考えず、頭を真っ白にして下さい。私が指を鳴らすと、3桁の数字が頭の中に浮かんで来るので、その数字を言って下さい。」と言って、指を鳴らし、数字を言ってもらうという演出を好んでやっている。これは観客が自由に数字を思い浮かべたように見えて、マジシャンの力によって、その数字を思い浮かべさせられた、一種のテレパシー的な現象のような印象を与えるためである。
実のところ、(1)〜(3)はすべて「観客が自由に決めた数字で鍵が開く」という現象を起こしているので、上記の演技は(2)や(3)でも可能であるが、(2)と(3)は実はつい最近入手したもので、実はまだ一度も使ったことがないということと、種々の理由で(これからそれを書くんだけど)(1)が使いやすいからである。ただ、誤解のないように書いておくが、(1)がベストというわけではない。(1)には(2)と(3)にはない大きな制約があるから。

順番にいこう。私が(1)を使いやすいと思う最大の理由は(1)の鍵はレギュラー、つまり仕掛けのない鍵であるということである。実際、ロフトでこの鍵を売っているのを見た。したがって、改めに強いし、ギミックの仕掛けの操作という怪し気な動作も必要ない(という表現は誤解があるか。シークレットムーブは必要だし)。
仕掛けのない本当の鍵だから、本当に観客の選んだ数字でしか鍵は開かない。開いたら鍵として意味がないわけで。ただし、この部分については(3)も同じ。観客の決めた数字で鍵が開いた後は、その数字以外では本当に開かなくなる。だから、逆にその後閉めて、その数字を忘れてしまうと、本当に開かなくて泣くことになる。実際(1)で、練習中に間違えたみたいで、鍵が開かなくなって、必死になって開けたことがある。3桁の鍵で良かった。

(1)の大きなマイナス要因は「観客が数字を決めて言ったとき、鍵はまだマジシャンの手にある」という点。これが(2)と(3)とは大きく異なる。実際のところは、(1)を演じて、そのことについてとやかく言われた経験はなく、現象2の「ポケットから紙切れを出す」のところは蛇足になっている感じがある。たぶん、「鍵が開く数字は1パターンしかなくそれは固定」という固定観念があって、それをどうこうできるという発想自体が観客にないのではないかと思う。やり方はともかく、最近は普通に売っている鍵でも自分の好きな番号に設定する機能あるのにねえ。(3)は手順によっては、それを逆に利用して現象を達成していたりするし。まあ、(1)を演じて、そこを疑う人がいないとは言えないので、現象2の紙切れは念のためあった方がいいとは思うけどね。
というわけで、(1)は使いやすいし、マイナス要因も現実には、ほとんどマイナス要因になってないので、(1)は私としてはかなり満足度が高い。
しかし、一方で、やっぱり不思議さを上げるなら、観客が数字を決めたとき、鍵は観客の手にあり、その後マジシャンは鍵に触れないというのは、マジシャンとしてはこだわりたいところではある(上記のように観客の印象として、その違いはどうでもよいとしても、マニア的こだわりで)。あと(1)の鍵は3桁で小さいのもちょっと気になっている。やっぱり、4桁で重厚な印象のがいい。そういう意味では(2)と(3)は見た目はいい感じ。

ただ、(2)は私から見れば、かなり微妙。リンク先に書いてある「同様な鍵:「バースデイ・ロック」の最新・進化バージョン」という表現は、正しくそうで、私が期待し過ぎというのもあっただろうが、正直期待外れだった。「バースデイ・ロック」と同じく「適当にダイヤルを回してもらって開けてもらいますが、全く開きません。」はちょっと(かなり?)無理がある。「バースデイ・ロック」ではできないことができるというのは事実で、数字を完全に自由に選んでもらえるのも事実なので、「バースデイ・ロック」よりは使いやすいと思うし、演出次第で、かなり面白いマジックができそうだとは思う。ただ、改めが弱いので、手順の中でうまく改めを入れていかないとあまり不思議に見えない可能性がある。そういう意味では扱いが難しいギミックと言えるかなという気はする。その分、うまくいくとかなり不思議。(1)と(3)と違って、完全に鍵は観客の手にあり、一切マジシャンは手を触れないで現象が起こせるのは魅力的ではある。問題は繰り返しになるが、いかに鍵を改めるか(改めたという印象を与えるか)である。そこはマジシャンの腕の見せ所かもしれない。

(3)はこう考えてくると(1)と(2)の中間という気もしなくもない。まず、少なくとも(2)に比べて、かなり改めに強い。演技の最初も最後も観客に適当にダイヤルを回してもらっても開かない(そこで、調子にのって改めをやり過ぎると演技のテンポが悪くなるので、やり過ぎはよくないと思うけど)。ギミックの仕掛けがまたすごい。よくこんなの作ったなと思えるような仕掛けで、「これぞギミック!」という気がする。こんな仕掛けがあるなんて想像だにしないだろう。そういう意味でよく出来ている。その代わり(1)と(2)と比較すると、若干、マジシャンの仕事が多い。まあ、若干で、たいしたことではないのだが。ただ、(2)は演出と手順だけの問題でマジシャンの仕事はないし、(1)もシークレットムーブはあるのもの、流れでさらりとやればどうということはないのと比べると、ちょっとしんどい。慣れればどうということはなさそうであるが(そういう意味では、まだ演じてない状態で評価するのはアンフェアかもしれない)。
そういう意味において、(2)ほどではないにせよ、演出と手順は工夫する必要があると思う。そのマジシャンの仕事を自然にさらりとできるように。細かい話をすると、手順の中でどこでどう改めて、どこで仕掛けるかが悩ましいところ。テンポが悪くならない程度に、でも、怪しまれないくらいの改めを入れつつ、仕事をするタイミングを自然につくるというのは、よく考える必要があるように思う。リンク先の動画の演技で十分不思議に見えるけど、動画ではマジシャンが鍵に触っている時間が長いのが怪しく見えるような気もする。実際のところはもっと観客が鍵を触ってもまったく問題ないので、そこのバランスが難しいかなと。リンク先に書いてあるように、手順は2つついてきて、それぞれ十分不思議なんだけど、このギミックの使い方として、工夫の余地はまだまだあるなあと思っているところ。

現状、まだ(1)しか使ったことないので、(2)や(3)に言及したレビューを書くのは時期尚早で、上記の通り、(2)と(3)にも色々な可能性があるので、ここで結論めいたことは書けないかなと思う(じゃあ、そもそも今回のこの話は何なの?という話もあるが、3つ揃って思ったことを整理しておこうと思っただけなんですよ)。実際、(1)〜(3)にはそれぞれにメリット、デメリットがあって、「どういう現象を達成したいか」というそこからよく考えないと、いけない気がする。ギミックや手順として、どれがいいとか悪いとか、それは完全に好みや、達成したい現象次第という世界だと思う。実際に使って演じてみないとわからないこともあるだろうし、(2)と(3)についても、色々試行錯誤しつつ、試してみたいなというのが本音。(2)で私が「微妙」と思っている部分も観客はまったく気にしない可能性高いしね。

こうした、面白いギミックをどう活用するか、改めが弱いところをどう補強するか、等々考えるのは非常に楽しい。(1)〜(3)のそれぞれで、できることとできないことがあるので、そこをちゃんと整理して、自分なりに納得いく不思議で面白い、いい手順が構成できるといいなあ。

posted by shadow at 03:41 | Comment(4) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月10日

インスピレイション X

いつもながら、疲れがかなりきてる。10/1付けで少し昇進したのは嬉しいことだけど、いつの場合も昇進すると、それに伴う研修ってものがあって、それが3日間もあったりすると、仕事の調整が大変。3日分仕事が減るならいいけど、仕事の量は減らずに、単に3日分の時間を確保しなければならないわけで、もう、ぐちゃぐちゃな状態に陥っていたりする。明日は休日出勤の予定だしねえ。家でできる仕事なら家でするのだが。その上、色々な問題が浮上するし、疲れるよ。愚痴は尽きない。

iPod touchの第4世代、なかなかGPS機能を付加するアクセサリ出ないね。どうしたものか。iPadはどちらにしろ買う予定だし、いっそ、3GモデルのiPad買って、iPod touchを買わないという解もありかなあと思ったりしている(毎月ソフトバンクに支払いするのは嫌なのでプリペイドの方を。実際の通信はWi-fiのみで)。「ちょっと使う」ときにiPadは大きいので、iPod touchも欲しいと言えば欲しいのだが、現実問題、iPod touchを使う場面を想像するにGPSの有無は私にとっては大きな差のような気がする。どちらにしろ、しばらく様子見の予定であるが。

さて、待って下さっている人もおられるようなので、ようやくインスピレイション Xのレビューを。よくできたマジックなのだが、原理が非常にシンプルなので、タネに触れずにコメントするのが非常に難しいのだが、どうにか書ける範囲で書いてみたい。
結論から言えば、私は大変気に入っている。マジシャンの負担は軽いし、観客からしても、難しいことは特になく、自由にカードを選んで心の中で思い、自由に色を決めるだけで、特別な操作、制限は特にない(ように少なくとも見えるはず)。
マジシャンから見た制約は、この手の現象のマジックではどうしようもないんだけど、デックの手渡し改めは不可。メンタルマジックにありがちの「軽く改めて、普通のデックであるような印象を持ってもらう」というパターン(この手の現象で手渡し改め可能なマジックがあれば、ぜひ教えて下さい)。あとは、マニア的なこだわりの範囲だと思うけど、カードの選択は完全には自由じゃない。でも、これは問題ない範囲だと思う。少なくとも、この点が問題になるようなことはまずないと思う。観客に「自由に選べる状態で適当に選んで覚えた」という印象を十分与えることができると思う。

このマジックの原理を知って、一番「興味深い」と思ったのは色の選択。本当に自由に言ってもらうことができる。何本かのペンを見せて、とか、「こういう色とか、こういう色とか色々ありますが」と何らかの色に関するセリフを入れたりとか、そういうのは一切なく、「何か、一色決めて言ってもらえますか?」と言って、決めてもらえる。実は厳密に言うとある巧妙なセリフがその前に入るのだが、それが制約になるように観客は感じないだろうし、あまりにタネに近いセリフなので申し訳ないけどそれについては省略。しかし、このセリフは非常に巧妙で、実は巧妙に色の選択に制約をかけているんだけど、観客からすれば、ただの説明にしか聞こえない。そして、やはり、「たくさん選べる色の中から1つを自由に決めた」という印象を十分与えることができる。
そのためのギミックもまた巧妙。マジシャンなら「本当に自由に色を選択できるはずがない」ことはわかると思うけど、絶妙なバランスでギミックがつくられており、対応できる幅はかなり広い。これも非常に巧妙なところ。かなりタネに近い話をするけど、当然、対応できる色を増やすと、カードの選択の方に制約がくる。逆もしかり。うまくバランス取らないと、ばれやすくなるか、色の選択のときに苦しむことになる。このバランスの取り方が絶妙で、このバランスによって、このマジックは成り立っているというのが私の理解。ここは、ギミックを見て、解説読んで「なんて巧妙な」と非常に感心したところ。
このギミックのバランスと、前述の「セリフ」によって、事実上、観客の色の選択はフリーチョイスと言っていい状態になっている。万が一、対応できない色を言われても、そのフォローは難しくない。メンタルマジックに慣れた人ならどうにでもできるだろう。それくらい対応できる幅は広い。

リセットが楽なのもいい。単にカードを元の位置に戻せばそれでいい。場合によっては1回カットする必要があることもあるが、マジックが終わった後に、それくらいやるのはまったく問題にならないだろう。
とにかく、観客のやることが楽で簡単なところがいい。時間もかからないし。それでいて、現象はかなり不思議。メンタルマジックとしては十分過ぎる現象だと思う。ちょっと考えるのは見せ方かな。「予言」として見せられなくもないが、そちらはちょっと危険な気がする。デックの改めが不可だから。リンク先も書いてあるように「観客の想像(イメージ)が実体化する」という演出の方がリスクが少ない気がする。現象としても十分不思議だし。

ラビリンスについても言及しようかと思っていたのだが、そこから、かなり深いところに話が行くことが確実なので、またの機会に(いつのなるかはあいかわらず何とも言えないが…)。

posted by shadow at 18:51 | Comment(12) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月29日

フェニックス・S.U.M. デック

twitterでもつぶやいたけど、携帯変えた。P703iμからP705iμへ。「なぜそんな古い機種に?」「マイナーチェンジで意味ないんじゃないの?」と言われそうだが私にはかなり意味がある。1つは前にも書いた気がするが、私は携帯に余計な機能は必要なく、薄くて軽いことを重視している。そして、着信時、携帯を開くことなく、誰からの電話か表示できる画面があるのは便利(プライベートウィンドウというやつ)。で、ドコモではずっとPシリーズを使っているので、他のシリーズは考えてなかった。調べたところ、P705iμから後のシリーズはプライベートウィンドウがないらしい。その上、色々な機能が追加されている。それは私には魅力的ではない。
逆にP703iμからP705iμへ変える意味は「ワンプッシュオープンボタン」の存在と「国際ローミング対応」の2点。P703iμも慣れれば片手で開けるが、辛いときもあり、ワンプッシュで開くのは魅力的。あと、今後海外出張が増えそうな気配なので(9月の下旬には既に1つ入っている)、国際ローミング機能は欲しかった。あとは、P703iμがいい加減ガタがきたというか、ボロくなってきたというのもある。
基本的にはP705iμは快適だ。動作が早くなっているし。たまに使うカメラの性能も上がっている。1つ残念なのはプライベートウィンドウを表示したままにしておけないこと。しばらくすると消えてしまう。時計表示はまだ消えてもいいけど、着信なり、受信なりがあったことが表示されたままになってないのはちょっと不便。開くか、横のボタン押せば表示されるのだが、「見るだけ」だったのと比べると不便には違いない。あと、私は寝るときに携帯の電源を切っているが、P705iμだと今電源が入っているのか入ってないのか、閉じた状態では見るだけではわからないのもちょっと気になる。調べてみると、それなりの理由があることのようで、しょうがなくそうなっているらしいのだが、残念だ。

さて、今日はフェニックス・S.U.M. デックについて。ギミックデックだけど、仕掛けは既にホームページに書いてあるし、同じようなギミックデックは既にあるので、さらりと思うところを。実はカテゴリに「レビュー(カード)」を追加しようか悩んだのだが、まあ、一応、現象はメンタルの分野に属すると思うので、メンタルマジックに分類しておく。書いてある通り、マークドで、さらにシステムの分もマークがあるそういうギミックデック。なので、マークドの手順も普通にできる。私はあまりいい手順知らないけど。実は既に同じ機構のギミックデックは持っていて(システムは違うけど)、今回、これを買ったのは手順書目当てと言っていい。正直「<手順1:S.U.M.> 」はかなり興味をひいた。この手順とデックで十分元は取れると思った。
時間の関係で、最終段だけ、知り合いのマジシャンに見せてみたけど好感蝕。観客にかなり複雑な作業を要求するので、実際にやるとなると、観客選びが重要そうだが。マジシャンは指示を間違えず、わかりやすく伝えれば、後はマークを読むだけで現象が達成できる。そういう意味においての負担は軽い。観客に正しい操作をしてもらうための指示は難しいので、そちらの意味ではそう簡単ではないが。
マークは読みやすい。しかし、ちゃんと模様に隠れているので、かなり時間をかけないと見つからないと思う。そういう意味では結構安心感のあるマークだと思う。
他の手順では、「<手順3:Three Card Mentalism>」も面白そうだと思った。「持っているカードを全部当てる」という現象は前にも書いた気がするが、好きな現象だし。ただ、このマジックやるとセットが崩れてリセットが効かないのが難点か。まあ、これだけの現象起こすのだからしょうがないのであるが。<手順1:S.U.M.> はセットを維持できるので、その点は楽。どういう場面で演じるかだねえ。ショー形式の場合は<手順3:Three Card Mentalism>の方が観客の負担が少なく、トラブルにもなりにくくていいかもね。ちょっとマジシャンの負荷があるが、この程度なら何とかなる範囲かと思う。

あとは、このシステムがメモライズドデックになっていれば完璧だったのに。まあ、実は英語の解説書の最後にそのことについて触れているのだが、(誤訳してなければ)「これらのシステム使って覚えろ」と残念ながら私には馴染みがないシステム(名前は知っているが)が列挙されていて、ちょっと手が出ない。惜しい。

まあ、付属の手順書の手順ができるだけでも十分価値があると思うのでいい買物したと思う。TPOを考慮して活用していきたいネタである。

posted by shadow at 20:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月24日

サイレント・ランニング(日本語版)

やっぱり、月2回は更新しないとなあ、一応そこが最低ラインと更新を頑張ってみる。本当は週1回を目標にしたいのだが。

また、PCの調子がおかしくなる。前回修理に出したときには原因は「メモリの接触不良」とのことだったので、無水アルコールを買ってきて、端子部分を拭いてみたりもするが、一時的に動くものの、数日で動かなくなるということの繰り返しで根本的解決にならない。メモリのスロットを変えても症状は同じなので、スロットの問題ではなさそうなので、メモリを交換してみる。
メモリも安くなったものだねえ。買ったのはTranscend JetRam デスクトップPC用増設メモリ DDR2-800 1GB×2 永久保証 JM2GDDR2-8K(名前長!)。メモリまでAmazonで買えるとはいい時代だなあと思う。深夜に注文して、次の日(というか正確にはその日)の夕方には届いた。24時間以内に届くとは。Amazonもヤマトもすごいと思った。
で、メモリを交換しても、やっぱり症状は改善せず。となると壊れているのはマザーボードのメモリ制御周りじゃないかと素人考えしてみる。つまり手が出ない領域。やけになって、買ったメモリと元からのメモリ全部を指して、4GB状態にする(メモリスロットはこれで全部埋まった)。で起動すると、メモリは3.5GBという表示。きっちり4GBと表示されないことは知っているが、ちょっと少なくないだろうか。この辺りが不具合によるものか。逆に減った分が不具合によるものであれば、今、認識している領域で動作する分には大丈夫なのじゃないかとか、よくわからない前向きな考えが浮かぶ(いや、もう、この不具合で「いつPCが止まるかわかなあい」という恐怖にずっとさらされているので、少しでも何かを信じたいんだよ)。で、現状、1週間経つが、今のところ、順調に稼働している。これが一時的なものなのか、ずっと続いてくれるのか、まだ油断はできないが、良い方向に向かったのは間違いないと思っているところ。

さて、今回は入手したばかりのサイレント・ランニング<日本語版>について思うところを。まだ実演も何もしてなくて、「読んだだけの感想」状態なのでそのつもりで。

基本的には「面白い」と思った。基本原理そのものは従来からあるものであるが、逆にこの手の現象は「その状態までどうやってもっていくか」が頭をひねるところで、そのために、ギミックデックがあったり、色々な演出、言い回しがあったりする。
そうした、既存の方法と比較して、かなり自然で無理がなく、その後もマジシャンにとって都合のよい部分が多く、これは使える原理だと思った。
もうちょっと踏み込んだ書き方をすると、カードを当てる段は従来からある原理で、前段のカードを自由に(という表現をどう把えるかは読む人次第ではあるが)選んでもらう部分が工夫されていて、面白い原理だと思ったということ。
そして、その選び方が後段の当てるところにおいて、いくつか都合のよい結果になっているところが、巧妙というかよくできていると思った。
手順としては、完全に好みの世界であるが、現象としては「ダイレクト・マインド・リーディング」はやっぱり面白そう。文字通りダイレクト。ここに詳しく書けないのが申し訳ないが、最後のメモ帳をうまく使った処理は巧妙で面白いアイデアだと思った。メモ帳さえあれば、ほぼ即興でできる強烈なメンタルマジックというのは大変魅力的。惜しむらくは、その方法は日本語では難しいところか。メモ帳を使わずに何の道具もなく演じる方法も解説されていて、そちらの方が成功すれば強烈であるが、リスクもあるので、これをやるのは今の私には度胸がいる。たぶん、何度か失敗することになると思う。
そういう「リスク」という観点からいくと、ボーナス手順のDevin Knighti氏の「巧妙な質問法」は大変興味深かった。手元にあるのは日本語版のみなので、正確にはわからないが、英語独特(というか、日本語にあまりなじまないというか)の言い回しがあり、そこをどう練るかが課題であるが(ちゃんとそう書いてある)、そこを除くと、曖昧さをうまく利用していたりとか、あるサトルティとかで非常に工夫された言い方で必要な情報を引出していて、「これならいけそう」と思えた。そういう意味で、この本の中で一番やってみたいのはDevin Knighti氏の「巧妙な質問法」かな。独特の言い回しの工夫はこれからだけど。
「有り得ない予言」も面白い。サロン、ステージ規模なら、ぜひやってみたい手順。高い確率で奇跡的な現象を起こせ、アウトの場合もアウトじゃないというか、普通の手順になるだけなので。
「霊的カード刺し」も派手で面白そうだが、準備が面倒で、そもそも、どういう場で演じる機会があるか想像できないのでパス。
「消滅するカード」も悪くはないけど、「別にこの方法じゃなくても…」という気もするし、ちょっとインパクトに欠ける気もするのでパス。実のところ、クロノログでこの現象よくやってたんだけどね。でも、あれは、カレンダーという道具立てと予言のオチがあって活きる現象だと思うので、単発で見せてもインパクトが足りないんじゃないかなあという気がする。さらに言うと、原理に気がつかれる可能性が高いような印象を受ける。どの部分がそうなのかよくわからないが、何となく。
他にはSteve Shufton氏の「もの言わず(オープン・プリディクション)」も面白そう。確かにマジシャンは何も言わず(やってもらうことの指示は必要なんだけどね)、カードを当てることができる。ただ、この現象を「オープン・プリディクション」と呼ぶのは強い違和感があるのだが。だって、予言を書いて置くのは、観客がカードを決めた後。それなら素直に読心術でいいように思うのだが。ちっとも「オープン」じゃないし。誤解がないように補足しておくが、名前の付け方に違和感を感じるだけで、現象としては十分面白い。デックにセットアップが少し必要だけど、それに見合う効果はあると思う。

その他の手順も当然ながら、色々な工夫があり、やってみたいかどうかはともかく勉強にはなった。論理的な思考をする人にはばれやすい原理のような気はするが、そこを演出等で工夫するのが工夫のしどころじゃないかという気がした(今のところ。まあ、実際のところはやってみないと何とも言えない)。メンタルマジック好きな人なら面白いと思える本だと思う。というか、逆にメンタルマジックにある程度なじんでないと演じられないと思う。やっぱり典型的なメンタルマジック特有の難しさがあるので。
こう書いている私も何度かやってみて、何度か痛い目をみないと自分のものにはたぶんできないと思う。今の私の力量では。メンタリストへ向けたステップアップとして、こういう手順をどんどんやっていければなと思った。

(補足)手順の中で、実際にやってみるに当たってどうしても1点気になるというか、リスクがあるところがあり、その点について、素直にフェザータッチさんに聞いてみた。その問題点は既に認識されていたとのことで、一部、そこを考慮して原書にないことを追記しているとのこと。でも、それですべて解決していないこともわかっていて、Ben Harris氏にこの問題について直接聞いてみたとのこと。Ben Harris氏の回答はそれなりに納得できるものであり、現実的ではあった。でも、何とも言えない蛇足感もあり、他にいい対処方法はないものかと思案中。フェザータッチさんの方でもこの点については整理したいとのこと。

上記の「巧妙な質問法」の言い回しも含めて、コールドリーディングの本を読み直す必要があると思った次第。

posted by shadow at 00:15 | Comment(9) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月23日

フリーウィル

最近、マイミクさんへの日記のコメントで、ちょくちょくと私の仕事について触れたりしていて、「この人何している人なの?」状態だったりするかもしれない。別に秘密にするような仕事はしていないので、気が向いたらちょこっとここで紹介しておこうかなとか思っていたり。基本、ただのサラリーマンなんだけど、ちょっと異質な仕事ではあると思う。異質だから、他にできる人があまりいなくて、私のところにどんどん仕事がきて、だから忙しいという構図なんだよねえ。まあ、慢性的な人手不足もあるんだけどねえ。

今回は最近、気に入ってちょくちょく演じているフリーウィルについてレビューがてら思うことを書いてみる。演じたときの反応は以前の記事でも触れているので興味があればそちらもどうぞ。
現象はリンク先の通りで、3つのチップの行方を予言しているというもの。私は予言の紙は折畳んでクリップで止めて袋の中に入れている。3つのチップと予言以外に余分な物は必要なく、全部袋の中に入れておけるため携帯性がよく、事前準備も特に必要なくリセット不要で使い勝手がいいので、私の中では評価がよい。何度か演じているが、以前の記事でも書いたようにいい反応をもらえていて、今のところ問題になったことはない。たった3枚とはいえ、自分が自分の意志で選んで手に握ったチップまで予言されているのだから、そりゃ気持ち悪いよなあ。
えーと、「自分はうまく演じている」と書いておいて、こう書くのは上から目線な感じがして恐縮だが、このマジック、うまく演じるのは結構難しいと思う。メンタルマジック特有の難しさがそのままあるマジック。原理としてはよくある原理を2つ組合せているのだが、1つ目はまあ、その原理を使う以上どうしようもない難しさがある。これはしょうがない。問題は2つ目で、通常、この原理はさほど難しくない(もちろん「自然にやれれば」という条件付き)のだが、このマジックの場合、そこがえらく難しい(と私には思える)。あまり言い訳がましくあれこれ説明せずにさらりとやることで、今のところ、うまくいっているのだが、さらりとやるにしても、もうちょっとうまいやり方はないものかと思案中。一応、自分なりの案はあって、今はそれでやっているが、もうちょっと工夫できないかなあと。
それに関連する話なのだが、私が買ったショップで付けていた日本語の予言は「あれ、これまずいんじゃないの?」状態だった。原文の英語の予言の方を見ると問題ない状態にちゃんとなっている。なので、予言は自分でつくった(単にプリンタで印刷しただけだが)。あれは、何かショップの担当の方の深い意図でもあったのだろうか…ちょっとした差なんだけど、このマジックにおいては無視できない差だと私には思えたのだが。
そういうことを含めて、自分なりの演じ方を工夫しないと、説明書通りのやり方でやればOKというわけにはいかないマジックだと私は思う。なのでメンタルマジックの初心者にはお勧めしない。逆に言うと、いい練習になるので、メンタルマジックを練習したい人にはいい題材かもしれないという気もするが。
道具は何もしてくれない。技法も技巧という意味での技法は使わない。原理だけで成り立っているマジックである。そのため非常にシンプルで、シンプルであるがゆえに、観客はどこを疑えばいいかすらわからず不思議に見えるが、うまく演じるのは難しいというそんな感じかな。

道具については、これはこれでよく出来ていると思う。「原理上必要な仕掛け」なるものはないため、怪しくないし、改められる。実はある仕掛けが施されているが、それがなくてもマジックとしては成立する(ある方がいいと思うので、私はそれを使った手順にしているが。まあ、普通そうなんだけど)。
以前にオークションで、このマジックの原理をそのままに、チップをESPカードに変えただけじゃないかというようなマジックが出品されていたのを見たことがあるが(落札してないから想像だけど)、このマジックはチップの大きさに意味があると思う。観客の手の中に握り込めるというのは無視できない効果がある(と思う)。ESPカードでも現象としては同じように不思議だろうけど、ちょっと印象が違うんじゃないかなあという気がする。木製のチップも雰囲気があっていい。

というわけで、私は大変気に入っているマジックである。実は購入前から原理は想像ついていて、想像通りだったのであるが、それでも、この商品には満足している。ただ、上記の通り、簡単じゃないと思うので、初心者にはお勧めしないけど(初心者でこのマジックを繰り返し演じてうまくいって、「あんたが下手なだけ。簡単だよ」というのなら、その批判は甘んじて受けるが…)。

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2010年01月03日

キャタクリズムについて掘り下げてみる

新年の儀式(?)の1つとして、新しいデックを開けることにしているのだが、「もしかして、このデック1年間使い続けてなかったか?」とちょっと疑問に。昔はそんなことあり得なかったのだが、備蓄されているデックの減り具合を見るに、その可能性が否定できない… やっぱり練習不足か。中身より箱の方が先にボロボロになっている。

マジック机の上を少し整理した。単に山の位置が他の場所に移動しただけだが。使わない道具を処分するのが正論であることはわかっているのだが、なかなそうも。ただ、ようやく置いてあるマットが見えるようになったという程度で、練習とかできる状態は遠い。休み中に片付けたいんだけどなあ。

さて、今日はリクエストもあったことだし、私自身もちょっと掘り下げておきたいと思っていたキャタクリズムについて書いてみる。以前から日本語版なるものが、フェザータッチMagicより、特別に契約して発売されていたものが、DVDとなって発売されたということらしい。いや、当初は「既に商品として売られているマジックのDVDがなぜ今発売になるの?」とちょっと混乱してもので。特別契約だったのね。納得した。現象はリンク先を見て頂くとして(いつもながらの手抜きですいません。でも動画もあるし、その方が確実かと…)、かなり強烈な予言マジックで、かなり好んで、最近機会があれば演じまくっている(実のところは、と言えるほど機会がないのが寂しいが。たぶん演じたのは5、6回程度)。

ただし、このブログで何度も取り上げている通り、私が演じているのは自作版。商品もDVDも買ってない。だから、原案は知らない。で、知人のマジシャンに私の自作版の話をしたところ、「原案はこうだよ。」と基本部分だけ教えて頂き、自作版が「改案」であることがわかった次第。なので、原案について詳細はまだ把握していないし、勘違いがあるかもしれないので、「あれ?」と思う部分があればご指摘下さい。なお「改案」であっても改良であるかは評価が分かれるところであると思うので、そこら辺もご理解の上読んで頂ければ。
で、どこら辺が改案なのかを述べていこうと思うのだが、原案のネタバレにならないように触れるのはなかなか困難。微妙な表現が続くと思うが、ご了承頂きたい。

で、ネタの触れる前に現象面からこのマジックについて思うところを先に書いておきたい。
個人的には「3枚」という枚数が絶妙であると思う。原理的制約もあるのだが、これが1枚だとたぶん、容易にタネが想像つく。かなりの演技力がないとそこはカバーできない。そして、「1枚が合う」よりは「3枚が合う」方がはるかに不思議に見えるとも思う。つまり3枚という枚数で、原理を隠蔽しやすくし、なおかつ不思議さを上げることにも成功している。非常に巧妙だなと思う次第。で、枚数をもっと増やせばいいかというと、私はそうは思わない。やっぱり原理的制約があるのだが、それを工夫して拡張して枚数を増やしたとしても、さほど不思議さは上がらないし、演技がダレやすく、原理的制約がもろに効いてくるのでバレやすくなりリスクがあると思う。
予言が写真であるというのもいい。紙に書いた物だったりすると、「後で書いた」とか余計なことを考えさせてしまうが、予言が写真で、手渡し可能なので、非常にクリーンで説得力がある。
少なくとも、今まで演じた経験から言っても、非常に受ける現象である。非常にフェアに見えて、わかりやすく、説得力があるマジックと思っている。

さて、では核心の改案部分について、触れられる範囲で触れてみる。とりあえず、リンク先の表現は公開情報としてそれを参照しながら書いていくことにする。
まず、準備から違う。原案では、「予言用写真 x1式」が必要であるが、私の手順では予言用写真は1式ではなく1枚である。マジシャン側からしてこの差は大きい(と思う)。私の演技では予言の写真は裏向きで最初からテーブルに置いている。裏には富士フィルムのロゴが薄く入っているので、それを見せて「写真です。後でお見せします」と言って演技に入っている。となると、当然、デックのセット(というか何というか)も異なる。原案のようには番号は振ってない。
演技としては、あとは、そのセットに応じた演技をするのみで、基本原理は原案と変わらない(この時点で、原案をご存知の方は私の番号の振り方が気になるかもしれないが、当然それはここには書けないことをご了承下さい)。あ、誤解がないように補足しておくが、当然、言い回しというか、選ばせ方は違う。
あと、演技上の細かい差として、カードの配置がある。私の演技では、カードは選ばれた時点で、どこに置くと予言の配置に一致するか決まっているので、悩む必要がない(ここら辺は原案でどう解説されているのか知らないので、実は差と言えるものではないかもしれないが)。
私の自作版の難点は、演技が原案よりも若干(と思っているのだが)難しいこと。(しつこいようだが、原案の詳細を知っているわけではないので、どう解説されているのかわからないが)原案のセットだと、かなり自然にカードを選ばせることができ、自由に選んだという印象を残すのは難しくない。が、私の演技では、3枚目の選択のときの言い回しには非常に気を使う必要があり、言い方、雰囲気等々、よく注意しないと、「予定調和」という印象を与える危険性があり、そう思われたらアウト。ここら辺は自分でも他人にうまく説明できない。相手の状態(性格とか雰囲気とか)と、2枚目までの選択の状態に応じて臨機応変に、言い方、間の取り方、「ちょっと考えるフリ」を入れるか入れないか等々考えながら演じていて、あえて、きっちりとやり方を決めず、アドリブで対応している。今のところ、そこを怪しまれたことはないので、とりあえず、成功はしているようが、原案に比べれば、そこはしんどいところではある。
あと、原案の方がタネを推測されにくいというのはあると思う。原案はある意味2つの原理の組合せからなっていて、「もし、あのときこういう選択をしていたら?」という部分をかなり強く残すことができる(特に3枚目)。ところが、私の自作版では、その2つ目の原理を削っているので、タネを推測される可能性は上がっている。そういう疑念を持たれたときに、それを払拭する術がない。私としても「今のところうまくいっている」としか言えない。

うーん、やっぱり微妙な文章になってしまった。総合的に見て、私の「改案」が「改良」と言えるかどうかは、人によると思う。上記の通り、ある種のメンタルマジック特有の難しさが、私の自作版の方にはある。リスクもある。でも、予言が1枚というのは結構なメリットであるとも思う。私自身は、自分で考えたからというのもあるが、自作版の方を愛用していくつもり。準備が楽で、覚えることが少ない(ほぼない)から。
私の改案について知りたい方(いるかな?)は、直接会える方は直接聞いて下さい。そうでない人はどうしますかね。秘密のままでもいいんだけど…mixiのマイミクさん、オンライン奇術研究会の人はOKです。ただし、原案を知っていることが条件です。原案の基本原理を示した上で、問合せ下さい。それ以外の方は…人によってはOKするかもしれないので、ダメ元で問合せしてみて下さい(断わっても怒らないで下さいね)。ただし、まったく交流のない方は間違いなくNGです。

posted by shadow at 15:14 | Comment(6) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月25日

49 Seconds

今週末に久しぶりにテーブルポッピングの依頼がきているのだが、ネタが整理できてない…
まあ、別にいつものでいいはずなんだけど、常連さんも結構いるし、それなりにバリエーションは持たせておきたいなと。久しぶりということもあって、レパートリーという意味では増えているはずで、ただ、試運転が不十分なのもあって、それらを投入してみるかどうかが鍵。まあ、本音のところ、他に試運転できる場もないので、そこは「えいやっ!」とやるしかない部分はあるのだが。
他のマジシャンとかぶらないようにしようとすると、やっぱりメンタル系か。軽いの含めて。

さて、今日は49 Secondsをレビューしてみる。今話題(と言っていいと思うんだけど)Luke Jermay氏のレクチャーである。で、リンク先を見ればわかるように、氏にしては(私の知る限り)珍しく、スライハンドをかなり要求する、クロースアップのメンタルマジックで、ほとんどがカードマジック。少なくとも私の手元にある氏の他のレクチャーはほとんどステージで、メンタルマジック固有のテクニック(とあえて幅の広い表現にしておく)はあれこれ使うものの、このレクチャーのようなスライハンドは要求しなかったので、逆に興味を持った。
で、リンク先のそのスライハンド部分の動画を見て、「この解説だけで値段分の価値あるだろう」と思い購入。で、感想としては十分元は取れた。技法の解説には満足しているし、マジックとしても面白いと思う。びっくりするような原理は出てこないけど、技法の使い方が巧妙で、構成として工夫されているなあと思った。
技法部分はコツコツ練習中。少し悩んでいた技法も含まれていたことあって、ちょうどいい感じで練習している。応用範囲も広そうで、練習しがいがある。
マジックの方は、解説があっさりし過ぎているところは正直あるのだが、比較的(あくまで比較的)現象を考えると、楽にできると言うか、必要な技法から見た、現象のコストパフォーマンスはいいように思える。
「49 Seconds Memory」「The Memory Routine」「Shuffle Tracking」の3つはやってみたいと思った。「Mixed Memory」「The Journal」は微妙。悪くはないけど。

微妙な方からいくと、「Mixed Memory」は解説が淡白で、「とりあえず、この状態になればいいから、そこまではどうにか頑張れ。一応解説しておくけど」的空気を感じる。まあ、そこは確かにケースバイケースだろうし、一概に解説しにくいんだろうけど。で、そうした苦労の割には現象はそこまでにインパクトはないような気がする(私の好みとして)。「The Journal」は「いや、別にそれ、よくある奴でしょ?」というのが私の素直な感想。たぶん、流れで、「このレクチャーの他のマジックの後にこれやるとかなり効果的」という主旨でここに載っているだけじゃないかと思う。そんな感じのこと書いてあるし。悪いわけではないが、別に目新しいわけではない。

「49 Seconds Memory」は必要技法から容易に推測がついてしまうのだが、不思議には違いない。これはインパクトあると思う。その技法が安定してできないといけないので敷居が高いが。さらに、その技法以外の問題点として、3枚のカードを覚えるのはそれだけでかなりきつい。技法に神経いったら確実に忘れると思う。そう考えると、もう、勝手に手が動くレベルでこの難易度高い技法ができないといけないわけで、かなり敷居は高いと言えよう。でも、やってみたい。
「The Memory Routine」はリンク先の現象の文章には若干省略があるけど、まあ、問題ないところでしょう。現象の文章読んで不思議に思っていたが、上記のちょっとした省略を除けば確かに文章通りの現象を起こせる。「記憶」という演出と現象がぴったりと合っていて面白い。やっぱり技法としてちょっと大変だけど、これは練習するしかあるまい。1段目で2枚覚えるのも最近はちょっときついんだけどね…
「Shuffle Tracking」は解説に「The Memory Routine」の後に続けてやるとよいとあり、「なるほどなあ」と思った。「覚えるだけでは意味がなく、それをどう使うか見せる」という演出は興味を引いて面白いと思った。で、この「Shuffle Tracking」はこのレクチャーの中ではかなり簡単。ただ、逆に単発で演じるとただのカード当てなので、むしろ「The Memory Routine」に限定しなくていいと思うけど、「デック全部覚えられる」という現象のあとにやるべきとも言える気がする。そうしないと、このマジックの味が出ないと思う。ただ、簡単なのは非常に嬉しいところ。

技法の解説も動画付きであるため、大変わかりやすい。とりあえず、順番に練習中。ただ、リンク先で強調されている「ブレークを作らないドリブルフォース」は個人的には微妙。面白いとは思ったが、やってみると意外と難しいし、従来と比べて角度に弱くなっている面も無いではないし(それは見せ方の工夫の範囲だとは思うけど)。そもそも、個人的趣味でドリブルフォースは使ってないので、まあ、これはいいかなと思っているところ。でも、逆にその他はすべて参考になったし、便利な技法だと思って練習中。

というわけで、かなりいいレクチャーだったと思う。問題は簡単じゃないこと。逆にそれがいい刺激にもなっているのだが。そういう意味も含めていい買物したと思う。

posted by shadow at 21:26 | Comment(4) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月12日

ワールド・ツアー

眠れない。ストレスかなあ。とりあえず、3連休に最低限やらないといけない仕事は無事にできたので、残り1日はのんびりできるはず。「犬をシャンプーに連れていく」というミッションさえクリアすれば。と思っていたら、またPCが故障した。どうもHDDが怪しい。とりあえずHDDだけ交換してみようと思っているところ。
ここに書きたいことも、それなりにあるんだけど、忙しくてとても書いてられない。先週はどうにも体が動かなくて1日休んだしなあ。休んじゃいけない日だったんだよ。何人かに多大な迷惑をかけて本当に申し訳ないと思っている。でも、逆に休んで大丈夫な日って、もう最近ないんだよね。休んだ日に部下に私の代わりに仕事してもらわないといけないので、あれこれ指示を携帯から出してたんだけど、そのとき「ややこしい日に休んでごめんね」と書いたら、「ややこしくない日なんてないので気にしないで下さい」と返事が返ってきた。部下に恵まれていることに感謝した。

キャタクリズムについて買ってないけど、ぼーっと考えていたら、実現できそうなアイデアを思いついて、マジシャン相手に試してみたら非常に好評だった。同じ原理なのだろうか。気になるが、わざわざお金払って確認する気には正直ならない(貧乏症だなあ)。こういう場合って、買わないで演じるのって道義上問題なんですかね?買ったところで、同じ原理だろうが、違う原理だろうが、私は自分で思いついた方を演じるつもりなんだけど。マジックの権利とか道義上の問題とか、人によって言うことが違うので、正直なところよくわからないんだよね。
まあ、その方法論の微妙な話はおいておいて、現象面から語っても色々語れるマジックのような気がしているので、そういう話も時間があるときにできるといいな。

2ちゃんねるのメンタルスレッドがいい感じと悪い感じで盛り上がっている。中にはかなり興味深い議論もあって結構勉強になる。実は私もそこでちょくちょくコメントしたりしているが、どれであるかは当然内緒。2ちゃんねるはあまり文章を推敲せずに、さっと思ったことが書けて楽。長々と説明するような話になったら、2ちゃんねるには書かずにここに書くけどね。

さて、本題(前振り長過ぎ。すいません、久しぶりなんで)。久しぶりの更新であるが、ワールド・ツアーをレビューしてみる。最近、あまりネタ物は買ってないんだけど、そんな中、買った数少ない物の1つで「かなり当たり」と思っているので、簡単に書いておく。
現象はリンク先に書いてある通りで、現象から想像つくと思うけど、「カクテルセレクション」や「人名セレクション」と基本原理的は同じ。それらと比べてどうかと言われると、これは好みとしかいいようがないだろう。ただ、ワールド・ツアーには他の2つにはない利点があると思うので、個人的には、ワールド・ツアーが一番気に入っている。
最大の利点は、観客に見せるのは表のみであるという点。「カクテルセレクション」と「人名セレクション」では、表と裏の両方を見せないといけないので、観客への指示がちょっと複雑で、観客が混乱する恐れがある。また、表と裏は同時に見えないので(当たり前だけど)、「裏には表を同じ物がバラバラに書いてあります」という説明が直感的に理解してもらえないときがある。その点、ワールド・ツアーでは見せるのは表のみで、わかりやすいし「21ヶ国が2つずつバラバラに書いてあります」という説明がぱっと見に確認できて説得力がある。観客への負担を考えたとき、この利点は見逃せない。
次の利点は、観客が選んだカードは観客の手で封筒にしまってしまえるということ。「マジシャンは表を見るチャンスが無かった」という説得力がある。
カードが大き目なのもいいね。ちょっとしたショーで使えそう。
もちろん、いいことばかりではなく、マジシャンの負担は少し増えている。が、この程度は余裕で許容範囲だろう。
(この点は他のマジックと同じだけど)余分かカードとか道具がなく、封筒に入れておけば、いつでもできるのもいい。
まだ、マジシャン相手にしか見せてないけど、いい反応をもらえた。
演出として「カクテル」と「人名」と「国名」のどれがいいかはTPOを考えて選ぶできであるが、「国名」がまずい場面というのがそうそうあるものでもないので、そこは好みの範囲であって、特に問題にはならないであろう。なので、当面は使える場面があれば、ワールド・ツアーを使っていこうと思っている。

posted by shadow at 04:55 | Comment(3) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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