2012年11月07日

Card Fictions

さて、提灯レビューでも書くか。というのはもちろん冗談で普通にレビュー。久しぶりにちゃんと全部読んだマジックの本なので。

Card Fictionsの日本語訳。私は原著の存在すら知らなかったのだが、方々の評判を聞いて興味を持って購入。スラスラと最後まで読めた。最後までしっかり読んだマジックの本は本当に久しぶり。いつも通り思うがままに書いてみる。

一番印象に残ったのはトリックの解説ではなく、その間にある2つのコラム"Method and Style and The Perfoming Mode"と"Inducing Challenges"である。前者は「オフビート」というキーワードで語られる話に近いと思ったが、微妙に違うというか、よりdeceptiveな話だと思った。後者は「観客のコントロール」と通じる話であると思ったが、マジックの演出として、非常に巧妙な仕掛けというか考え方だと思った。特に後者は目から鱗という気がした。どちらも非常に興味深い内容でルーティンの構成、演出を考える上で非常に参考になる考え方だった。

トリックについては、「結構難しいな」というのが正直な印象。どれもよくできていて、現象としてはどれも魅力的。しかし、私から見て「読んですぐできる」レベルのマジックは無かった。とは言え、「絶望的な難易度」というわけでもなく、現象を考えれば、その難易度はバランスがとれているというか、「練習してできるようになりたい」と思わせるトリックだと思った。

一番気に入ったのは"Cincinnati Pit"。いわゆるポーカーデモストレーションである。現象が意表をついていてきれいで面白い。問題はシャッフルが簡単でないこと、ポーカーデモストレーションではよく使われる結構難易度の高い技法が必要なこと。後者の技法については、ミスディレクションというか手順の妙で負担は下がっていると言えるが、難しい技法であることに変わりはない。シャッフルは別法と2つやり方が解説されているが、私は別法の方が好み(というか、こちらの方が、たぶん、私には楽)。とは言え、別法のシャッフルでもやってみたら最初はうまくできなかったので、要練習という感じ。少し練習したらできるようになってきたので。まだ安定感ないけど。ポーカーデモストレーションは「いい手順ないかなあ」と思いつつ、レパートリーとして取り入れている手順はまだない状態だし。

次は"Colour Sense"。メンタルマジック好きな私の好みに合うし、難易度もまあ、そこそこだと思ったから。慣れというか練習が必要だけど、これはできそうな気がする。まだ、まったく練習してないから想像だけど。演出も面白くやサトルティも効いていて面白い。

"Triple Countdown"も私好みのマジックだと思った。しかし、どういう状況でこのマジックを演じるのか想像がつかなかった。大変、面白いマジックなのだが、場を選ぶ気がする。

"Master of the Mess"は現象を読んだときにはワクワクして解説を読んだのであるが、その巧妙さに感心しつつ、一方で絶望した。今の私には絶対無理。このマジックを安定して演じる技量は私にはない。大変に魅力的な現象で、手順も巧妙で本当に面白いマジックなので、できるようになりたいが、それはかなり先な気が正直している。

"Unforgettable"の感想も"Master of the Mess"とほぼ同じかな。好みの現象であるが難しい。

"Finger Flicker"はほぼ既存の内容でクレジットでもそう書かれているので省略。

"High Noon"は唯一、私の好みにあまり合わないマジックだったので省略。この手のマジックは苦手(というかやる気にならない)という本音もあり。

と書いていて、「あれ、このままでは、そもそも現象わからないじゃん」ということに気がついたので(上のリンク先に現象説明なし)、いつもながらの他力本願で現象も含めて色々書いてる訳者さんのページにリンクはっておきます。

「Card FictionsのおまけTips」も参考になった。全体として非常に読みやすい本で(原著からそうなのか、訳者の努力なのかは私にはわからないが)、本当に最後までスラスラ読めた。面白いマジックばかりで、分量もほどほどだったからかな。とりあえず、上記の通り、いくつかは練習してレパートリーにしたなと思った。

posted by shadow at 08:02 | Comment(6) | TrackBack(0) | レビュー(本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月02日

ノストラダムスの箱

ネット上の知人のマジックの訳本が手元に届く。久しぶりにマジックの本をちゃんと読む。まだ、半分しか読めていないがかなり興味深い。まあ、パーフェクト・ファローを数回とかはちょっと無理だけど(でも、このマジックはサトルティが効いていて興味深い手順なんだけどなあ。意外性とインパクトも十分あるし)。まあ、全部読んで理解したら、ここに提灯記事でも書こうかなと(笑)。

このブログ、もっとサクサクと更新したいんだけど、書き始めると長文になってしまう自分の悪癖が問題で、書くのに時間と労力がかかってしまうのでなかなか手がつかないという自己矛盾状態。簡潔に書く能力が欲しい。

さて、今回は前にも書いた「使えない安いマジックより高くても使えるマジックを」のコンセプト(?)のもとに購入したノストラダムスの箱を紹介してみる。
その前に誤解がないように言っておきたいが、「高いマジックは使える」ということを言いたいわけではない。高い理由が問題で、「高い上に使えない」というひどいマジックもある。「あんたが使いこなせないだけ」という批判は甘んじで受けるが、少なくとも「高いマジックの方が使いやすくていいマジック」ということはない。「(個人的印象として)確率的に高いマジックの方が使えるものが多い」というだけのことである。安くて名作もあるしねえ。

前置きはさておき、まだマジシャンにしか見せてないが、非常に好評だったマジックである。「あの箱のマジック」と呼ばれかなり強い印象を残したようである。現象はリンク先に動画もあるので見て頂いて、まあ、the card at any numberというところか。。
この手のマジックはよくあるマジックで、原理も出尽した感があって、たいていは既存の原理そのままか組合せによって実現されている。このマジックも例外ではない。しかし、機構というか何というか、非常によく出来ている。
デック、箱は完全改め可能というか仕掛けがない。この安心感は非常にポイント高い。デックは完全にレギュラーで好きなデックを使える。ちょっと慣れというか、言われた枚数によって考える必要があるが(この手のマジックではある意味しょうがない)、「何かした」感がまるで感じられない自然さがあってマジシャンでも追いにくいマジックと言えよう。
正直なところ、買う前に「原理はたぶんこうだろう。でも、機構は想像つかない」と思っていた。で、買ってみて、原理は予想通りで、機構が想像していたよりも遥かにシンプルで驚いた。この手のギミックはシンプルであればあるほど良いと思う。トラブルになりにくいし、セットアップも楽。この点でもポイント高い。

欠点をあげるなら、まあ、欠点と言うには何だけど、当然セットアップは必要。簡単だけど、こっそりとセットアップする必要がある。あとは上記のようにちょっと考える必要がある。これは慣れればどうということはないと思うけど。
つまり、演技上、目立った欠点は無いと言える、よく出来たマジックだと思う。値段は単純にほぼ箱代じゃないかねえ。もちろんアイデア料もあるだろうけど、見た目にきれいでしっかりした箱で、持ち運び用に袋がついているのも地味に便利。チェーンを入れる内袋付きで使い勝手がよい。

この現象を起こしつつ「箱に仕掛けがない」というのはマニア殺しではないかと思う。マニア以外にも十分受ける現象だし。もちろん、何の仕掛けもなく、この現象は起こせないので、仕掛けはあるのだが、繰り返すが箱は完全改め可能。巧妙でシンプルはこの仕掛けには感心するばかりである。

いい値段するので、この値段をどう考えるかは人それぞれだとは思うが、私は十分値段分の価値があると思うし、上記の通り、大変満足している。

posted by shadow at 18:42 | Comment(10) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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