2009年11月04日

Duplicity

今、発売されている、「Super Jump」という漫画雑誌のバーテンダーの漫画に「ソーヴ・キ・プ(sauve qui peut)」という言葉が出てきて(フランス語らしい)、「深い!」と思った。Googleで調べてみると、色々な解釈があるようだが、私は漫画の中で説明されていた解釈が興味深いと思ったし、「いい言葉だな」と思った。で、今、自分がどちらかと言うと、言われる側かなと思ったが、いつ言う側になっているような気もしたりして、ちょっと複雑な気分になった。

さて、今回は、以前のエントリーでコメント頂いて思い出したDuplicityについて。
そのときのコメントにも書いたけど、「なぜ、これを思いつかない」とそういう意味で悔しい思いをしたマジックである。ちょっとネタバレだけど、B'Waveと、Twisted Sistersを知っていれば、思いついて当然の手順で、誰も発表していないことに驚いて、思いつかない自分が悔しかったというわけ。

これだけの現象を起こしながら、「完全改め可能」というのが例によって私のツボで結構好きなマジックである。パケットだけど、原理を含めてメンタルマジックっぽいところもいい。気になる点は現象は「移動・交換」であって、B'Waveのような「予言」ではないこと。そういう意味では現象面から言うとメンタルマジックではないと私の中では整理されている。
この点については某所で「予め入れ換えておいた」という演出もあるという話も聞いて、「なるほど!」とは思ったのだが、Twisted Sistersなら、それもありかなと思うんだけど、Duplicityでやると、あまりにもダイレクト過ぎて、タネがばれやすいような気がして、やっぱり交換現象として見せる方が見せやすいし、わかりやすいような気がしている。そういう意味では、やっぱりB'Waveの代わりにはならないなあという残念感はある。でも、私好みのマジックであるのは間違いないところ。

で、交換現象として見せるときに気になっているのが、「パケットを広げると、お互いが選んだエースが表向き」という見せ方ってわかりにくくないかということ。「マジシャンは選ばれたエースを交換する」と言うわけで、そこにそれをひっくり返す理由はなく、なぜ選ばれたエースが表向きで出てこないといけないのか、必然性がないし、そうすることで、マジシャンにとって都合がよい点があるわけでもない。
なので、「パケットを広げたとき1枚だけ裏の色が違う。表を見ると間違いなく選んだエース」の方が、観客にとってわかりやすいし、マジシャンも余計な説明しなくてよくていい気がするのだがどうだろうか。Duplicityの持つ本質的意味を理解していない、浅い認識による誤りであろうか?
まあ、どちらにしろ、確か、まだマジシャン相手にしか見せてないので、何とも言えないところではあるのだが。

と、まあ、悩んでいる点はあるにはあるが、逆に人に見せながら、検討していけばいい気もするし、とりあえず、機会があればやってみようと必要なパケットはクロースアップ用鞄の中に入れてみた。いつそのチャンスがあるかはわからないが。

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2009年10月31日

テーブルホッピングやってきた

今週はちょっと仕事に余裕があったなあ。おかげでたまっていた仕事がほぼ片付いた。一安心。油断禁物だが。

13 Steps to Mentalismってリンク先の説明を見るととっても、興味引かれるんだけど、「このページ数の英語を、いつどうやって読むんだよ、お前」と冷静な自分が言うので、とりあえず保留。ターベルコースみたいに辞書的な使い方はありそうだけど。とは言え、未読の本、山積みだしなあ。

さて、今日の話は、昨日テーブルホッピングしてきたので、忘れないうちにその話を書いておこうと。いつもの場所で勝手はわかっているのでやりやすい。
今回はマジシャンは3人いて、テーブルの数を考えると、3人いれば、かなり適当に回っても、「マジシャンが来なかったテーブル」というのはほぼ発生しない。なので、いつも通り、適当に3テーブルくらい回るつもりだったのだが、どこで時間をくったのかわかないのだが、2ヶ所回った時点で時間になっていてびっくりした。他のマジシャンも同じことを言っていたので、何か雰囲気がそうさせたのかもしれないとか、よくわからないことを思っていたりする。

とりあえず、演目と状況を順に書いていく。
開始時点でいつもより2、3分遅く始まったということはわかっていて、さらに私自身の準備にちょっと時間をとったという自覚もあったので、1テーブル目は軽く2演目にして次にいくとまず決めた。1テーブル目では手順はゆうきとも氏の「B-エーセス」のまま、使うカードを変えて、演出を工夫した「ハリーポッターパケットトリック」をやってみる。ハリーポッターを知らない人には効果半減なのだが(そういう意味では確実に旬を逃している)、それでも、ストーリーがしっかり立てられるので、自分なりに気に入っているトリックである。まずまずの反応。
で、次でこのテーブルは締めるつもりだったから、いつものチョップカップルーティンをやる。しかし、なんだろう、最近そういう傾向なんだけど、途中で「はは〜ん」的反応になりがち。演技が粗いのかなあ。オチで大玉2つ連続で出すところで確実に受けが取れるので、「お客を楽しませる」というのには成功していると思うのだが、ちょっと自分の理想の演技から遠くなっている気がする。チョップカップはしばらくおいておいて、2Cupルーティンでも練習しようかと真面目に検討中。ジン&トニックに戻してみてもいいかもね。
で、この後「水戸マジッククラブって、どういう団体なの?」という質問を受けて、しばらくそのテーブルでお話することに(ここで時間くったかなあ)。

という感じで1テーブル目が終わったときに、店員さんに「カウンターお願いします」と言われてカウンターの中に。そこには、マジック好き少年が待っていた。で、お父さん(だと勝手に思っているだが)に「難しいマジック見せてやってくれませんか」と頼まれる。「難しいって何のことだろう」と少々考えるが、その前に別のマジシャンがカウンターにいたことを思い出し、そのマジシャンの演目を想像するに(実際には見てないけど、普段の経験からの推測)、「わかりやすくて、インパクトのある面白いマジック」をやった可能性が高いなと思い、その後のリクエストなので、「違う傾向のマジックを見たいから、多少複雑でもいいから、とにかく不思議なマジック」という意味だと、自分の都合のいいように解釈して、得意(と自分では思っている)メンタルマジックを連発してみることにした。
最初にやったのは「キャタクリズム(自作版)」。少年と、お父さんと、たまたまカウンターにいたもう一人のお客さんの3人相手にやってみる。非常に好反応。ペットトリックになりそうな勢い。リセットもほぼいらないし。お客さんの反応としては「不思議!」という感じで、カードの裏の数字が消えたり変わったりしないか、写真が変わったりしないか確認していた。「そこしか疑われなかった」という意味においても、うまくいったと言えると思う。
続いて、ゆうきとも氏の「北国の五人の仲間」をやってみる。これもいい反応もらえた。オチが強烈だからねえ。少年が手に持ったブランクカードの表面をこすって確認していた。こちらも「そこしか疑われなかった」という意味でトリックとしてうまくいけたと言えるし、いい反応を引出せだと思う。「そこしか疑われない」のはこのマジックの構成が巧妙だからで、別に私の手柄ではないのだが。それは「キャタクリズム(自作版)」についても同じことが言えるわけだけど。
「北国の五人の仲間」を演じていて面白いと思ったのは、偶然「表は見ないで下さいね」と私が何回か言ったこと。これは、少年が思わず手に持ったESPのパケットの表をほぼ無意識に見ようとしたときに言ったんだけど、これがいい伏線になって後で効いた。そのときはマジシャンの事情としては「オチを強く残しておきたい」からそう言うんだけど、マジックとして「表を見てからやるとあまり不思議じゃないので」というセリフが使えるので、さほど不自然ではないと思う。少年がシャッフルしているときに、ちょっとカードがこぼれたのだが、このときも「表が見えてなければ大丈夫です。好きなように混ぜて下さい」とコメントし続けた。で、オチに向けて、「私が何回か表を見ないように念を押してましたよね」と言い、お客さんが自然に表を確認したくなるように仕向けることで、オチがより強力になったような気がする。
と、かなり強烈なメンタルマジックを続けたところで、さすがにちょっと息抜きというか、軽くいこうと、上記の「ハリーポッターパケットトリック」をやってみる。一応、ハリーポッターのことを少年は知っていたし。ここでは、まあ、想定していたくらいの反応をもらえていい感じ。

とここまでやったところで、時計を見てびっくり。ほぼ終了時間。私の記憶違いがなければ、上記の通り、5ネタしかやってなくて、時間的には少なくとも30分以上経過している。どう考えても時間配分の辻褄が合わない。「いつも通りにやっている」つもりでいたため、途中で時間の確認をしてなかったのが大きな失敗ではあるのだが。演出や会話に時間かけ過ぎたかなあ。それ自身は悪いことじゃないと思ってはいるのだが。メンタルマジックではそういう部分は重要だし。そう考えると、やっぱりテーブルホッピングでテンポよくテーブル回りたいのなら、メンタルマジックはやっぱり不向きか?
「お客さんを楽しませる」という観点からすれば、今回はかなりうまくいったと言える。ただ、会場全体で考えたとき、1ヶ所に長居し過ぎという気はするし、その分他のマジシャンに負担がかかっていたり、十分にマジックを楽しめてないテーブルもあったのではないかという気もする。
個人的にも「今回のために」とちゃんとリセットすることも考慮して準備したマジックをあまりできなかった。
でも、ねえ、本音のところ、メンタルマジックやりたいんだよ。好きだから(わがままであることは承知しているけど)。
でも、今回のことを踏まえて、「バランス」を考え直してみたいと思った。

posted by shadow at 16:51| Comment(3) | TrackBack(0) | マジック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月25日

49 Seconds

今週末に久しぶりにテーブルポッピングの依頼がきているのだが、ネタが整理できてない…
まあ、別にいつものでいいはずなんだけど、常連さんも結構いるし、それなりにバリエーションは持たせておきたいなと。久しぶりということもあって、レパートリーという意味では増えているはずで、ただ、試運転が不十分なのもあって、それらを投入してみるかどうかが鍵。まあ、本音のところ、他に試運転できる場もないので、そこは「えいやっ!」とやるしかない部分はあるのだが。
他のマジシャンとかぶらないようにしようとすると、やっぱりメンタル系か。軽いの含めて。

さて、今日は49 Secondsをレビューしてみる。今話題(と言っていいと思うんだけど)Luke Jermay氏のレクチャーである。で、リンク先を見ればわかるように、氏にしては(私の知る限り)珍しく、スライハンドをかなり要求する、クロースアップのメンタルマジックで、ほとんどがカードマジック。少なくとも私の手元にある氏の他のレクチャーはほとんどステージで、メンタルマジック固有のテクニック(とあえて幅の広い表現にしておく)はあれこれ使うものの、このレクチャーのようなスライハンドは要求しなかったので、逆に興味を持った。
で、リンク先のそのスライハンド部分の動画を見て、「この解説だけで値段分の価値あるだろう」と思い購入。で、感想としては十分元は取れた。技法の解説には満足しているし、マジックとしても面白いと思う。びっくりするような原理は出てこないけど、技法の使い方が巧妙で、構成として工夫されているなあと思った。
技法部分はコツコツ練習中。少し悩んでいた技法も含まれていたことあって、ちょうどいい感じで練習している。応用範囲も広そうで、練習しがいがある。
マジックの方は、解説があっさりし過ぎているところは正直あるのだが、比較的(あくまで比較的)現象を考えると、楽にできると言うか、必要な技法から見た、現象のコストパフォーマンスはいいように思える。
「49 Seconds Memory」「The Memory Routine」「Shuffle Tracking」の3つはやってみたいと思った。「Mixed Memory」「The Journal」は微妙。悪くはないけど。

微妙な方からいくと、「Mixed Memory」は解説が淡白で、「とりあえず、この状態になればいいから、そこまではどうにか頑張れ。一応解説しておくけど」的空気を感じる。まあ、そこは確かにケースバイケースだろうし、一概に解説しにくいんだろうけど。で、そうした苦労の割には現象はそこまでにインパクトはないような気がする(私の好みとして)。「The Journal」は「いや、別にそれ、よくある奴でしょ?」というのが私の素直な感想。たぶん、流れで、「このレクチャーの他のマジックの後にこれやるとかなり効果的」という主旨でここに載っているだけじゃないかと思う。そんな感じのこと書いてあるし。悪いわけではないが、別に目新しいわけではない。

「49 Seconds Memory」は必要技法から容易に推測がついてしまうのだが、不思議には違いない。これはインパクトあると思う。その技法が安定してできないといけないので敷居が高いが。さらに、その技法以外の問題点として、3枚のカードを覚えるのはそれだけでかなりきつい。技法に神経いったら確実に忘れると思う。そう考えると、もう、勝手に手が動くレベルでこの難易度高い技法ができないといけないわけで、かなり敷居は高いと言えよう。でも、やってみたい。
「The Memory Routine」はリンク先の現象の文章には若干省略があるけど、まあ、問題ないところでしょう。現象の文章読んで不思議に思っていたが、上記のちょっとした省略を除けば確かに文章通りの現象を起こせる。「記憶」という演出と現象がぴったりと合っていて面白い。やっぱり技法としてちょっと大変だけど、これは練習するしかあるまい。1段目で2枚覚えるのも最近はちょっときついんだけどね…
「Shuffle Tracking」は解説に「The Memory Routine」の後に続けてやるとよいとあり、「なるほどなあ」と思った。「覚えるだけでは意味がなく、それをどう使うか見せる」という演出は興味を引いて面白いと思った。で、この「Shuffle Tracking」はこのレクチャーの中ではかなり簡単。ただ、逆に単発で演じるとただのカード当てなので、むしろ「The Memory Routine」に限定しなくていいと思うけど、「デック全部覚えられる」という現象のあとにやるべきとも言える気がする。そうしないと、このマジックの味が出ないと思う。ただ、簡単なのは非常に嬉しいところ。

技法の解説も動画付きであるため、大変わかりやすい。とりあえず、順番に練習中。ただ、リンク先で強調されている「ブレークを作らないドリブルフォース」は個人的には微妙。面白いとは思ったが、やってみると意外と難しいし、従来と比べて角度に弱くなっている面も無いではないし(それは見せ方の工夫の範囲だとは思うけど)。そもそも、個人的趣味でドリブルフォースは使ってないので、まあ、これはいいかなと思っているところ。でも、逆にその他はすべて参考になったし、便利な技法だと思って練習中。

というわけで、かなりいいレクチャーだったと思う。問題は簡単じゃないこと。逆にそれがいい刺激にもなっているのだが。そういう意味も含めていい買物したと思う。

posted by shadow at 21:26| Comment(4) | TrackBack(0) | レビュー(メンタル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月18日

Alpha to Omega

なんだか、自分が忙しいことはどうでもよくなってきた。自分で書いていても意味がわからないが、どうやっても忙しいままなんだし、やれることをやるしかないんだなという、そんな感じ(水戸マジッククラブのホームページの更新は後回しになっってます。すいません)。

衝動買いというか、ストレス発散かもしれないけど、メンタル系のレクチャー物いくつか買ったので、できる範囲でレビューしてみる。中には相当練習が必要なのもあって、これはこれで楽しい(いつ練習するのか知らんが)。

まずはAlpha to Omega。B'Wave現象好きな私には「フリーチョイス、手渡し可能」という宣伝文句は魅力的で買ってみた。事前にMagic Cafeものぞいてみたが、基本的に高評価だったし。
ぶっちゃけた話、動画の時点で「原理としてはこうだろうな」と思っていた、そのままだったので、それはそれでちょっとがっかり。まあ、そんなもんだけど。技法は使うけど、この手順ならそんなに無理はないし、いけるでしょう。カードマジックに慣れていれば。
で、結論としては「面白かった」。驚くような話は出てこなかったけど、少なくとも勉強にはなった。確かに動画通りの現象を起こせる。レパートリーにするかは微妙だけどねえ。

何を微妙と思っているかというと、これはメンタルマジックではないということ。パケットトリックだと私は思う。と言うのはリンク先の動画を見てもらうとわかる通り、「予言として後ろで一枚ひっくり返す」わけでしょ。ちゃんと4枚の裏模様も見せた状態から。で、現象が起きたとき、そのカードの裏模様が違うのは、もうメンタルマジックじゃないと思うのよ(少なくとも私の認識では)。表をしっかり見せたエースの1枚がブランクになるのも同様。「だからダメ」とかそんな偉そうなこと言いたいわけじゃなく、原案のB'Waveとはそういう意味において、現象が違うし、「B'Waveをフリーチョイスにして、手渡し可能にした」と言う評価をされるのであれば、「それは違うんじゃないの?」という気がするというだけの話。
パケットトリックとしては畳みかけるように不可能現象が連続して起きて、よくできていると素直に思うし。単に「私が求めたいたのとはちょっと違うかなあ…」というだけのことなので誤解なきようにお願いしたい。余分なカードは使わないし、手渡し可能状態で終わり、そのままリセットというか、普通に片付ければ次にすぐ使えるし、便利で効果的だとは本当に思っている。
「オメガ原理」は確かに応用が効きそうで面白い。他の手順も演出を含めて面白かった。演出のアイデア、注意点とかも語られていて、それも勉強になった。
その1つ「The Amazing Four Aces Trick」は非常に興味を持った。これは私が求めていた物にかなり近い。現象として「フリーチョイスで手渡し可能のB'Wave」に見える。このDVDの中で一番やってみたいと思ったのはこれ。ただ、準備が少々面倒で、ちょうど良い素材(という表現も何だが)があれば、演出面を含めて、非常に面白いマジックじゃないかなと思った。一部、マジシャンの心理的負担が高い部分もあるけど、まあ、そこは我慢というか、ギリギリ許容範囲かなという気もするし。

そうそう、「オメガ原理」とは(記憶が確かなら)関係ないけどMatrix Reloadedは面白かった。ときどき見かける「コインマジックをパケットで」系統でマニア向けな気がしなくもないけど、コインマジックの導入に使っても悪くない気がした。特殊(?)なカードが必要なんだけど、それをつくるのに必要なPDFがついているのは親切。他にも必要になりそうなPDFはちゃんと一式ついていて親切だなあと思った。The Amazing Four Aces Trickの準備に必要なPDFもついているし(英語だけど)。と書いていて思ったんだけど、ちょうど良い素材探すんじゃなくて、日本語版にして素材の方に合わせれば済む話か。うん、気が向いたらやってみよう(気が向くかどうかは知らないけど…)。

というわけで、勉強になったし、面白いDVDを見たなという気がして結構満足。
他にはLuke Jermayのレクチャー物2点ばかり買ってしまったのだが、その話も書けば書きたい。

posted by shadow at 23:18| Comment(6) | TrackBack(0) | レビュー(DVD) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月12日

ワールド・ツアー

眠れない。ストレスかなあ。とりあえず、3連休に最低限やらないといけない仕事は無事にできたので、残り1日はのんびりできるはず。「犬をシャンプーに連れていく」というミッションさえクリアすれば。と思っていたら、またPCが故障した。どうもHDDが怪しい。とりあえずHDDだけ交換してみようと思っているところ。
ここに書きたいことも、それなりにあるんだけど、忙しくてとても書いてられない。先週はどうにも体が動かなくて1日休んだしなあ。休んじゃいけない日だったんだよ。何人かに多大な迷惑をかけて本当に申し訳ないと思っている。でも、逆に休んで大丈夫な日って、もう最近ないんだよね。休んだ日に部下に私の代わりに仕事してもらわないといけないので、あれこれ指示を携帯から出してたんだけど、そのとき「ややこしい日に休んでごめんね」と書いたら、「ややこしくない日なんてないので気にしないで下さい」と返事が返ってきた。部下に恵まれていることに感謝した。

キャタクリズムについて買ってないけど、ぼーっと考えていたら、実現できそうなアイデアを思いついて、マジシャン相手に試してみたら非常に好評だった。同じ原理なのだろうか。気になるが、わざわざお金払って確認する気には正直ならない(貧乏症だなあ)。こういう場合って、買わないで演じるのって道義上問題なんですかね?買ったところで、同じ原理だろうが、違う原理だろうが、私は自分で思いついた方を演じるつもりなんだけど。マジックの権利とか道義上の問題とか、人によって言うことが違うので、正直なところよくわからないんだよね。
まあ、その方法論の微妙な話はおいておいて、現象面から語っても色々語れるマジックのような気がしているので、そういう話も時間があるときにできるといいな。

2ちゃんねるのメンタルスレッドがいい感じと悪い感じで盛り上がっている。中にはかなり興味深い議論もあって結構勉強になる。実は私もそこでちょくちょくコメントしたりしているが、どれであるかは当然内緒。2ちゃんねるはあまり文章を推敲せずに、さっと思ったことが書けて楽。長々と説明するような話になったら、2ちゃんねるには書かずにここに書くけどね。

さて、本題(前振り長過ぎ。すいません、久しぶりなんで)。久しぶりの更新であるが、ワールド・ツアーをレビューしてみる。最近、あまりネタ物は買ってないんだけど、そんな中、買った数少ない物の1つで「かなり当たり」と思っているので、簡単に書いておく。
現象はリンク先に書いてある通りで、現象から想像つくと思うけど、「カクテルセレクション」や「人名セレクション」と基本原理的は同じ。それらと比べてどうかと言われると、これは好みとしかいいようがないだろう。ただ、ワールド・ツアーには他の2つにはない利点があると思うので、個人的には、ワールド・ツアーが一番気に入っている。
最大の利点は、観客に見せるのは表のみであるという点。「カクテルセレクション」と「人名セレクション」では、表と裏の両方を見せないといけないので、観客への指示がちょっと複雑で、観客が混乱する恐れがある。また、表と裏は同時に見えないので(当たり前だけど)、「裏には表を同じ物がバラバラに書いてあります」という説明が直感的に理解してもらえないときがある。その点、ワールド・ツアーでは見せるのは表のみで、わかりやすいし「21ヶ国が2つずつバラバラに書いてあります」という説明がぱっと見に確認できて説得力がある。観客への負担を考えたとき、この利点は見逃せない。
次の利点は、観客が選んだカードは観客の手で封筒にしまってしまえるということ。「マジシャンは表を見るチャンスが無かった」という説得力がある。
カードが大き目なのもいいね。ちょっとしたショーで使えそう。
もちろん、いいことばかりではなく、マジシャンの負担は少し増えている。が、この程度は余裕で許容範囲だろう。
(この点は他のマジックと同じだけど)余分かカードとか道具がなく、封筒に入れておけば、いつでもできるのもいい。
まだ、マジシャン相手にしか見せてないけど、いい反応をもらえた。
演出として「カクテル」と「人名」と「国名」のどれがいいかはTPOを考えて選ぶできであるが、「国名」がまずい場面というのがそうそうあるものでもないので、そこは好みの範囲であって、特に問題にはならないであろう。なので、当面は使える場面があれば、ワールド・ツアーを使っていこうと思っている。

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2009年09月21日

GRAB THAT PINHEAD

シルバーウィークは一応、休日出勤は無く、休めてはいる。仕事抱えているので、ちょろちょろと家で仕事はしているけど。しかし、体だるい。まあ、休めているだけましなんだろうけど。でも、休み明けの24、25は二日とも出張だしなあ、きついなあ。

さて、今日は題記のGRAB THAT PINHEADをレビューしてみる。
いわゆる、現象としては古典の「リンキングピン」であるが、他のリンキングピンを知らないので、この手順が従来と比べてどう優れているのか私は知らない。単にこのDVDを見ただけの感想である。
結論から言うと大変気に入った。DVDには大き目の安全ピンが付属しているが、これは大き目であることを除けば普通の仕掛けも何もない安全ピンで、基本的にこのマジックは商品としてはレクチャーDVDであると言っていい。安全ピンをちょっと(自作嫌いな私でもまったく苦にならない程度)の加工をするだけで、道具としてはすぐに準備OKなのはありがたい。
現象は上記リンク先に動画もあるので、それを見てもらうといい。私はこの現象だけで十分気に入って買ったのであるが、予想以上に楽に出来て大変満足している。上記の通り、リンキングピンについての予備知識がなかったせいもあるが「え、それだけ!?」といういい意味で予想を裏切られた感じはあって、「いい手順だなあ」としみじみ思った。シークレットムーブは小さい動きでほぼ見えないし、角度も結構強い。大き目の安全ピンを使うことで、そこそこの距離でもできるし、道具の携帯も楽で、リセットも不要、色々な場面で使えそう。
まだ、動きがスムーズじゃないので、実戦で使うにはまだ練習がいりそうだけど、知り合いのマジシャンに見てもらったときには、結構いい反応をもらえた。

笑ったのが、レクチャーのときに使った安全ピン。リンク先の写真にも移っている、でかい安全ピン、ただのイメージ映像かと思っていたら、本当にこの大きさの安全ピンを使ってレクチャーを始めるのでかなり笑った。まあ、そのおかげでとってもわかりやすかったんだけどね。

他のリンキングピンとの比較はちょっと気になるところだが、とりあえず、このマジックには満足した。

というわけで、「自分のレパートリーを広げる」という意味において、結構いい買い物した気がする。もうちょっと精度を上げて、ぜひレパートリーにしたいところ。

posted by shadow at 01:34| Comment(2) | TrackBack(0) | レビュー(DVD) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月06日

奇術探求第3号

えーと、例によって愚痴(を越えた話かも)から。水木金と3連続で東京出張で、どれも朝7時代の特急に乗る必要があって、さらに最後の金は午前に東京で会議、午後は14時半から職場で会議というハードなスケジュールで「勘弁してくれ〜」状態にあった。で、その最後の会議の後、担当者と半分仕事、半分雑談的感じで話をしていたときに、そこにいた偉い人と私との会話があまりにも象徴的だったので、ちょっと書いてみる(かなりブルーというかブラックな話なのでそのつもりで)。
その偉い人とは私の入社以来のお付き合いで、色々と配慮して、私を助けてくれている人である。最初の仕事での覚えがよかったらしく、えらく私を買ってくれている。で、私が「今もう死にそうですよ」と苦笑いしながら言った後、その偉い人はこう言った。「いや、こう言っちゃなんだけどさ」と前置きして、「よく死んでないなと思ってるよ」と。悪気も何もなく、純粋に(逆に言うと心配して)そう言ったのだと理解した。
その偉い人の言いたかったことは、今の状況だけでなく、10年前の話も含んでいた。10年前、私のいる事業部門は大きなプロジェクトを進めていたが、どうにも人が足りなかった。で、「彼にやらせれば何とかなる」と言い始めた人がいて、その「彼」が私だった。いいように解釈すれば、それだけ能力を買ってくれていたとも言える。が、現実は地獄の現場にいきなり投入されて、文字通り地獄を見た。私の人生で最も地獄だった時期と言っていい(色々な意味で)。犠牲者も出た(どういう意味で「犠牲」だったのかはここには書けないくらい)。プロジェクトは結果としては成功し、そのときまで無かった市場を確保し、今の仕事にもつながっている。が、その代償はあまりに大きく、そのプロジェクトの関係者で今も会社に残っている人を「生き残り」と呼ぶ人がいたり、「あれは死のプロジェクトだった」と言う人もいるくらいである。
そうしたことを含めて、私について「よく死んでないな」という表現になるということらしい。10年前のことはたぶん、無意識に自分の中で蓋をしていたんだと思うけど、「確かに、あのときに比べると、まだましだよなあ」と思ったりもして、色々なことを考えてしまった。

さて、気を取り直して(こんなの読んだ後では無理?)、奇術探求第3号について。面白かった。このシリーズはレパートリーに入れるかどうかはともかく、勉強になるし、刺激になる。「赤と黒」がテーマであるが、"Out of This World"についてがほとんどと考えていい。最初の「フジカラー2008」は"Out of This World"とは関係ないマジックであるが、カジュアルに見せるにはほどよく「あ、それでできるんだ」的な何とも言えないすっきり感が素晴しく、この後何かに応用できそうな気がして面白かった(例によって「気がする」だけであるが)。
で、"Out of This World"関係であるが、ゆうきとも氏の覚書はやはり勉強になった。「うん、うん」とうなづきながら読んでしまった。
そして、3手順載っている"Change the World"はいい刺激になった。"Out of this world"をパケットにして枚数を減らすことによって、"Out of this world"の持つ様々な問題を解決しようという試みで、観客の印象としては、たぶん"Out of this world"の方が強烈であろうが、「即興でできて、かなり説得力があって、時間も適度」という辺りを考えると、"Out of this world"をやるより"Change the World"の方が適切であろう場面はいくらでも想定できるので、そういう意味で興味深いと思った。
起きる現象としては、同じようなマジックは記憶にあるのだが(微かな記憶で、誰の何という作品だったか、さらにその手順の詳細も思い出せないのだが)、「観客が自由に選べる」というところの選択の自由度の高さの印象は"Change the World"がかなり良くて、説得力がある気がして気に入った。3手順読んだ後、早速、自分なりの手順を考え始め、「とりあえず、こんなところか?」と1手順つくったところで一応満足(さほど、オリジナリティはなく、3手順から適度に寄せ集めして、ちょっと技法を変えた程度だけど)。ぜひ機会があれば、やってみようと思っている。即興でできるのはとにかく便利。

で、"Out of this world"そのものについてであるが、ついでに書いておくと、実は私はこれはまだ1回しか人に見せたことがない。少々ネタバレであるが、原案の「枚数を数える」というところの負担の高さがどうにも気に入らず、実際にそこでトラブルになりかけたというのがトラウマになっていて、それ以降一度も人に見せていない。
そんな中、某所で興味深い手順を発表された方がおり、私自身はそれをレパートリーとしている(と言いながら、人に見せたのは1回だけだけど。セットアップ必要なのは普段あまりやらないからねえ)。Wyman JonesとPaul Harrisによる"Galaxy"の影響を強く受けているらしいのだが、"Galaxy"を知らないのでよくわからない(今書いたクレジットも奇術探求第3号で初めて知った。Paul Harrisの作品という認識はあったのだが)。途中のガイドカードの交換がなく、枚数を数えることなく、観客に最後まで配ってもらえるというのは色々な意味で楽。もちろん、その後の仕事はかなり増えるけど、私の好みからいけば、こちらの方がやりやすい(この辺りの差についてはゆうきとも氏も言及しているけど)。
他のカードマジックをやらない、あるいはやったとしてもパケットものにするとかすれば、リセットもできなくはないし、雰囲気によってはテーブルホッピングでやってみてもいいかなと真面目に検討中。時間がかかるのと、あまりにも現象が強烈過ぎるのがテーブルホッピングで見せるにはアンバランスな気がして、まだ悩んではいるが(というか、まだ具体的にそういう話があるわけじゃないし)。

というわけで、"Out of this world"にからんで、今回もいい刺激受けたなあと思っている。その他にもカードマジックだけでも、色々考えたいこと、練習したいことはあって、それなりに楽しい感じ。問題はやっぱり時間がないことだろうなあ。体もだるいし。

posted by shadow at 01:28| Comment(3) | TrackBack(0) | レビュー(本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月30日

「CDの圧縮法」の顛末

体だるい。「もう、限界越えてるんじゃないの」と思うことしばしば。9月は期末って奴で、さらに仕事増えるしなあ。〆切きついしなあ。来週も3日間は東京出張だよ。自分の仕事も3件くらい重いのがあって、いつやるのかスケジュールに隙間がない。部下も一杯一杯で、フォローしてやらないと色々問題になりそうな気配。やっぱり既に破綻しているんじゃないのかなあ…
直属の上司ではなく、もうちょっと上の人に「〆切が守れないのは仕事のやり方に工夫が足りないからだ」という主旨のことを言われてかなりむっときた。たぶん、「私は温厚な方である」と言っても多くの人は賛同してくれる自信があるのだが、さすがに、かなり頭にきた。直属の上司は色々配慮してくれていて、助かっているが、その上の意識がそれでは、もうどうにもならん。

というマイナスな話はさておき、マジックに関するかなりプラスの話を1つ。
表題の「CDの圧縮法」というマジックはどうやら調べてみると2003年に発売されたテンヨーのマジックらしい。もちろん、今は絶版。
現象は、紙袋にCDを入れて、その紙袋を小さく畳んで(明らかにCDより小さく)、その後紙袋を元に戻して、中からCDを出すという物。CDは手渡し可能。
どこかで(どこかは調べてみたが思い出せない)絶賛されているのを見て、「興味あるなあ」と思っていたところ、オークションに出てたので落札してみる。「説明書なし」と書いてあったが、この時点では「テンヨーのだし、説明書なしでも道具見れば何とかなるだろう」とか甘いこと思っていた。
で、届いた物を見て、頭をかかえる。原理はわかる。が、CDをどこにどう処理して、どう出してくるのかがさっぱりわからない状態。CDを消すだけ、あるいは出すだけなら、まあ、いくつか思いつくけど、消して、出すとなるとそれなりに処理する方法に工夫が必要でそこがまったく想像がつかない。知り合いのマジシャンとちょっと話してみるが「これだけではわからないね」という結論に。

あきらめきれない私は、オンライン奇術研究会で聞いてみることにした。そしたら、何と「知っている。解説が手元にある」という人登場(mixiのマイミクさんでもあるのだが、一応名前は伏せておく)。で、教えてもらうと、何と付属品に欠品があることが発覚。いや、欠品というレベルじゃなく、このマジックのキモとなるギミックが無かったのである。わかるわけない話だったのだ。オークションの出品者にすぐに確認する。回答は「私もオークションで手に入れた物で、その時点で無かった」だった。その答えを信じるかどうかは悩むところだが、せいぜい悪い評価つけることしかできないし、その物を出品者から手に入れることはできないことは変わらないので、あきらめた。
あきらめたのだが、このマジックそのものはあきらめきれなかった。そこにさらにもう一人の救いの神登場(この人もmixiのマイミクさんでもあるのだが、やっぱり、一応名前は伏せておく)。経緯はもうちょっと長いのだが、ちょっと省略して結論の部分の辺りだけ書いておくと、「それ持っていたはず。探してみる」というお言葉のあと、「見つかった。同じ物を作れそうなので、できたら送ってあげる」とのこと。もう、涙が出そうなくらい嬉しかった。で、本当に作って送って下さったのである。どう言葉にしていいかわからないくらい嬉しかった。

で、そのギミックを受け取って、ようやく週末になって手順を試してみて、自分なりの工夫とか調整を加えて、動画にしてみた。軽い恩返しくらいの意味で(本当に受けた恩からすると軽過ぎるのだが)、オンライン奇術研究会とmixiに動画としてupした。mixiの方はマイミク限定。なので、見れる人は非常に限定されるけど、広く見せれるレベルの動画じゃないので、そこはご了承頂きたい。
距離と角度に強いマジックで、いつもの内原イオンとかでも使えそうなネタで、もうちょっと練習して、演出を工夫すれば実戦投入できそうな気配。服装に制限があるんだけど、そこはまあ、しょうがないってことで。
非常によいマジックを手に入れたと思う。お二人にはどう、感謝すればいいかわからないくらい感謝している。本当にありがとうございました。

posted by shadow at 02:55| Comment(4) | TrackBack(0) | マジック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月23日

パズルマジックいくつか

あぁ、書きたいことが一杯たまっている。トラブっていたPCの復旧の話は自身の忘備録も兼ねて書いておきたいし、ようやくたまっていたmMLを3つ見て、あれこれ刺激受けて練習しようとしていたり、その影響で買っただけで読んでなかった本を読んだり、新しく買った本を読むのに苦労していたり、何となく見た本で「あ、こんな手順あったんだ」と面白い発見をしたり、マイミクさんとメンタルマジックで盛り上がったり、水戸マジッククラブの人が面白いギミックを作ったり(私が頼んだのだが)…現状、仕事の忙しさはあいかわらずで(もう、本当にどうしようもない)、結局のところ時間が無いということなのだが、その中でもどうにかこうにかマジックを楽しんでいると言えよう。
そうそう、ネット上の人達に大変助けて頂いた話もあったりするのだが、まだ途中だし、完全解決したら、この話はぜひここで紹介したいと思っていたりする。

さて、本題。
レビューを書くのは結構久しぶり?レビューと呼べるかは微妙な気もするが。最近、偶然(なのか?)パズル的マジックを2つ購入したのでその話を。
購入したのはワープナインパズル・プレディクションの2つ。どちらもmMLより購入。商品としては、どちらもマジックランド製らしい。似たようなマジックとして、確か2004年のテンヨーのプラスワンキャンペーンのマジックで「ゴーストパズル」というのがあったので、まとめて書いてみる。
結論から言えば、私は3つとも大変気に入っている。パズル・プレディクションとゴーストパズルは原理的にはほぼ同じなのだが、現象としてはまったく違っていて、与える印象もまったく違うし、どちらも「この原理をこう使うのか!」という驚きと、プレゼンテーションの完璧さが素晴しい。

ワープナインであるが、現象はリンク先を見て頂くとして、「どうやったら、こんなの思いつくの」という自分でやっていても不思議なパズルである。これは純粋にパズルであるのにマジックに見えると言うべきか。「そもそもパズルとマジックの境界ってどこ?」と言いたくなるような物である。この商品を語るなら「よくできたパズルはマジックのように見えることもある」が正確な表現か。パズル好きな人に見せたら、奪い取られてしばらく戻ってこないだろう。
問題はプレゼンテーション。まあ、無難にいくなら、手順通りにやって、1段目は「あれ、1ピース間違ってますね」という感じで、「裏面も確認してみましょう」的なよく考えると意味不明なこと言って2段目に行き、「あれ、さっきと違いますね。何かおかしいような…」と悩み始めて、「もう1回表でやってみますね」とか言って、「よかった。ちゃんとできました」とその前の1段目と2段目は無かったかのように終わるという感じかなあ。あまり凝った演出を思いつかないし、見ているだけで十分不思議なので、これくらいのあっさりした演出でいいかなあと思っている。リセットも何もなく、何かを追加したり、抜いたりする必要もなく、そういう意味でもマジシャンの負担は軽いというか、ほぼ0というありがたいマジック(?)なので、相手を選びながらうまく使っていきたいと思っている。
実のところ、泡坂妻夫 マジックの世界 という本で原理は知っていて、面白そうだと思ってはいたのだが、とても自作する気になれず、商品として発売されているのを知って飛びついたというのが本当のところだったりするんだけどね。

パズル・プレディクションは実は結構前から気になっていたのであるが、「原理はあれだよねえ」と思った時点でちょっとテンションが下がって放置していた。しかし、ワープナイン買うときに、何となくついでで買った。で、大正解。面白い。非マジシャンにも見せてみたが非常に好感触。こういうちょっとしたギャグに見えて、実はすごいオチがあるという系統大好きなんだよね。リセットも楽というかほぼいらないし、テーブルホッピングにも使えそうだし、何より現象の意外性が楽し過ぎる。そして、現象に矛盾がない。非常に不思議で面白くきれいなマジックだと思う。技法を使うのがネックではあるが(カードマジックをやる人なら普通にできるだろうけど)。で、その技法を使わないアイデアを思いついた気がしたのだが、別の問題が発生することに気がついて現在練り直し中。演出上の問題なんだけどね。
パズルのピースを入れておくちょうどいいサイズの封筒が見つからなくて、画用紙で自作した。透けて見えると興醒めだし。自作嫌いの私がたかが封筒とは言え自作するのは珍しいこと(と自分で言うのも何だが)。それくらい気に入ったということだ。

ゴーストパズルは元々限定品なので、今はオークションとかにでも出ないと入手できない代物なので、ここで紹介するのは酷な気がしないでもないが、大変気に入っているマジックである。テンヨーのプラスワンキャンペーンって結構いいマジックがあるのだが、ゴーストパズルはベスト3に入るかなという気がするくらい気に入っている(「残り2つは?」とは聞かないように。決めてないから)。テンヨーらしい配慮で、ちゃんとパズルを持ち歩くための入れ物も付属しているのもいい。で、完全にセルフワーキングというか、パズルの原理のみで成り立っているが、その使い方というか見せ方が大変面白く、見ている人の興味を引く。単にこの原理である「隙間ができたのに面積は同じ」というだけではない、演出が秀逸。カジュアルな場でちょっと見せるのにはかなりいいマジックである。実は私の上着のポケットに常備されている(夏は上着着ないから関係ないけど)。
パズル好きの知り合いに見せたら、やっぱりしばらく戻ってこなかった。しばらくして「なるほどねえ。これはよくできてる」と感心してから返してくれたけど。私はこのマジックは知られて困る原理というわけでもないので、パズル好きな人がその謎を解きたいと思ったら止めないようにしている。その方が楽しいと思うから。

というわけで、パズルなマジック3つまとめて書いてみた。本当にどれも気に入っていて、TPOに合わせて選べば、3つとも活躍の場は色々ありそうでいい買い物したと思っているよ。

posted by shadow at 03:51| Comment(5) | TrackBack(0) | レビュー(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月20日

またテーブルホッピング

ちゃんと連休は休みを取れているので、忙しさ自慢はやめておきます。なかなか疲れが抜けないのですが。
某ブログで「20万アクセス達成」とかあって、「うちはどれくらいなのだろう」と調べてみようとして、どこにもそのデータがないことに気がついて(1日のアクセスは色々わかるけど)、「わかるとちょっと嬉しいかも」と思いカウンター置いてみた。左の一番下。別にアクセスが多かろうが、少なかろうがどうでもいいんだけど(たぶん書くことは変わらないし)、何かの励みにはなるかなあと。

えーと、水戸マジッククラブのページの更新は後回しにして(公私の優先度が適当ですいません)、今日テーブルホッピングをやってきて、色々勉強になったので、その話を忘れないうちに書いておこうと思う。やっぱりマジックは演じないとわからないこと多いよ。
最初「今日はマジシャンが少ないので1つのテーブルの時間を短めに」と言っていたのに、終わってみたらいつも通りの時間間隔になってました。申し訳ありません。3つしかテーブル回れませんでした。「1テーブル3ネタ」と決めて、「トリはチョップカップ」と決めて、チョップカップは2分半程度のはずだったので、いい感じになる予定だったのが、なぜかいつもよりトーク増量してしまい、長くなりました。
でも、収穫は色々あった。まず、チョップカップは無事にリセットができるようになり、すべてのテーブルでトリとしてやることができた。これは大きな収穫。その一方でチョップカップの今のルーティンの問題点も浮き彫りになってきた。別に同じ相手に繰り返し見せているわけではないので、その問題点は当初からあったのであるが、今日はなぜかその問題点が浮き彫りになった感じがあった。自分でも問題だなと思っていたところなので、これを機に考え直してみたいのであるが、今はアイデアなし。その辺の事情、考察については別記事に書ければ書きたいところである(が、無理かもしれない)。
次の収穫は2テーブルでトライアンフやって、そのときに練習としてクラシックフォースしたところ、2回とも成功。まだまだ「引いてもらっている」感はあって、自分の中でも安定感はまったく感じないんだけど、「練習すればいける領域」に入ってきた感蝕はあって、これからも精度を上げていきたい。
悪い方の収穫(収穫という意味では悪いことではないのだが)は「カラーチェンジングナイフが微妙」というところか。初めて普通の人相手にやってみたんだけど、後半のぐだぐだ感は自分でも我慢できないような状態。基本的に現象は、ナイフの色が変わるだけで、それを「色の変化」と「位置の交換」として見せるくらいしか見せようがなく、2段目くらいまでなら「おっ!」という反応を引き出せるが、その後はどうにもインパクトがないというか、不思議さが増している感がまるでなかった。ぶっちゃけ途中で「あ、ダメだ」と思い、「まあ、こんな感じで」と途中で打ち切って次のマジックにいった。ダメダメである。技法の精度とか言う以前の問題と思っている。見せ方がなってないんだろうな。現象にうるさい妻には好評だったという事実から考えて、やっぱり実際に見せ方に問題があるとしか思えない。マジックとしては私好みでいいマジックだと思っているので、もっと考察がいりそうであるが、あきらめずに考えてみたい。
最後の収穫は「やっぱりメンタルは受けるし、やりやすい」ということ。「やりやすい」の部分は私の好みやスタイルによるところもあるだろうが、今日のネタの中ではある意味一番受けた気がする。3つ目のテーブルで「試してみよう」と思い、ゆうきとも氏の「EZサイコ」と売りネタの「フリーウィル」をやってみた。どちらもいい感じに受けて、演技後のやり取りが興味深いと思ったので概略書いておく。
まず、EZサイコの後、

観客A(お手伝いしてくれた人)「これ超能力じゃないんですか?」
私「違います。マジックです。もちろんタネもあります」
観客B「失敗することはないんですか?」
私「ないです。ちゃんとタネがありますから」
観客A「タネがあるようには見えなかった…これで超能力と言われた信じるかも」
私「インチキ超能力者もこんなことやりますね。騙されないようにして下さいね」
観客A「本当に。気をつけよう」

続いてフリーウィルの後

観客C(お手伝いしてくれた人)「なんで?自由に選んだはずなのに」
観客A「最後に交換していたら(今回は最後には交換しなかった)、この予言通りじゃないってことですよね。なんで?」
私「あなた(観客C)が持っているチップは私は触れないので、どうこうしようがないですしね。こちらの2枚(私が持っていたのと袋に入れたの)は私が触ってますけど」
観客C「その通りね。このチップは私が握った後は細工しようないわよね…」
観客A「チップの置き方とか、その後の言い方でうまくコントロールするとか、心理的な要素なのかなあ…」
私「その可能性もありますね。あるいは完璧に予言していたという可能性もありますね。どちらにしろ、はっきり申し上げておきたいのは、これもマジックで、タネはあるということです」
観客A「えっ!これもタネあるの?」
私「もちろん、ありますよ」

という感じ。あまりにも受けたので、逆に心配になって「タネのあるマジック」と強調しておいた。それが逆に不思議だった様子。この辺りは「メンタルマジックを演じるときの注意」としてよく本にも書かれていることで、正直、この様子からすれば、私が「これは超能力です」と言い切れば、少なくとも半信半疑くらいには持っていけそうな気配。で、それは「マジシャンのモラルとしてやってはいけない」とされていることのはずで、今回は一応、マジックであることを強調しておいた。曖昧にしておいて不思議さを高めるという演出もありなのかもしれないと、ちょっと頭をよぎったのだが、それはまずいことのように思ったので、今回はこんな感じ。
ただ、「受ける」ということは確認できた。今回の場所はジャズバーで、マジックを見に来ているわけではなく、マジックは空き時間の余興であり、どちらかというと、カジュアルな雰囲気だと思うので、今までここまでのレベルのメンタルマジックは避けてきた(カードの予言マジックとかは結構やっていたけど)。でも、試しにやってみるといい感じだった。1回の演技ですべてを判断はできないけど、うまくやればいけるのだとわかったのは大きな収穫である。テーブルホッピングのレパートリーを色々と見直すべきだなと思った。元々、私はメンタルマジックが好きだし。多少うぬぼれていいなら得意だとも思うし。

というわけで、色々な収穫を得て、課題も得ていい感じだった。次に機会を頂ければ、もっといいマジックを見せれるんじゃないかなあと思えて楽しい。まあ、練習したり、考えている時間があるかは微妙だが。

posted by shadow at 02:30| Comment(12) | TrackBack(0) | マジック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする